非住宅木造建築の補助制度を使おう!

  • 2024.04.22
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新年度となり、非住宅の木造建築に対して結構な補助金制度が静岡県や浜松市から公表されています。(県や市の木材利用について)
「しずおか木使い施設推進事業」これに関して2年前、「ふじのくに木使い建築施設表彰」で静岡県森林組合連合会天竜事業所が最優秀賞をいただきました。
次に、「県産材利用建築物設計支援事業」というのが出まして、設計料も1/3が補助されるそうで、百万単位の額がそれぞれ補助されます。
浜松市も前からやられてましたが「天竜材ぬくもり空間創生事業」で木材の使用量に応じてですが最大一千万円!と。すごいですね〜。

補助金って、僕的にはずっと、なんか一部の人がうまく利用して儲けてるだけでそんな社会の役に立っていない事が多いよな〜と冷たい目で見ていた感じでした。
でも、天竜に沢山育ち続ける、うまく使えばすごく美しい杉たちが、あまり使われず、使われても集成材にされてしまっているような状況が、地球の環境のためにも、という大きな話以前に、資産としてもったいないと思い続けてきました。そして、美しい木造が、少し頑張れば作れるので、何か良いインセンティブでもあれば、と思ってきたので、このような制度は是非使って欲しいと思います。

平家か2階建てで、すごく大希望な建物でもない限り、正直木造の方がずっと費用も抑えつつ、軒をしっかり出したり構造材を出したり、適切なデザインをすれば、決して耐久性も劣るものではなく、むしろ箱型の鉄骨やコンクリート造より長持ちし、また心身ともに優しい空間ができます。


これも森林組合の事務所内。目を覚ましている時間で言えば、家より長く過ごす場所としての事務所、というのは住宅以上に心身に優しい場所であるべきだと。

永田木材の作業所。集成材や特殊な金物や工法を使わなくてもこれだけ大空間の思い切ったものが、木造でも可能ですし、木造でなければできない優しい空間が可能。

遠州綿紬ぬくもり工房。繊細な素材を扱う場所に、やはり木造の素材を繊細に生かしたデザインは相応しいと思います。

豊橋のあつみ食堂。100席あるこの建物も集成材や特殊な工法を使わず、杉の無垢材を思いきり見せつつ、軽やかにすっきりしたデザインとしました。

永田木材の事務所。屋根を方形=三角形の組合せとすることで強度を高め、このような開放的な作りも可能にしています。

ご事情もあり竣工後しばらくして開業されたヒダマリノキさん。横の幹線道路を意識させないようにトンネル的な空間を木構造を生かしてデザイン。

以上、木造の非住宅の設計例でしたが、くどいですが僕は集成材は木造だと思っていないので理由がなければ使いませんし、鉄骨造を一部混ぜることで曲線の屋根を作ったりするようなのも、なんか誤魔化しているようで好きではないので、全て純木造でした。