長谷守保 建築計画

KEYAKI GARDEN/堀部さん



堀部安嗣さんの内覧会にお邪魔してきました。
以前につくられた集合住宅からの連作で、以前のものは、外観だけは前に外観だけ見てきていたのですが、やっぱり内部空間を感じたいと思い行ってきました。
恐らくまた雑誌で発表されるでしょうけれど、いわゆるデザイナーズマンションというか、やたらと窓が大きく明るく、天井が高かったりやたら吹抜けていたり、というのと対極的な、こじんまりとして、陰影のある賃貸住宅です。
僕も今まで、それなりに建築家たちの建築を見てきましたが、特に現代建築というのは、分析がしやすく、つまり理屈でものがつくられている面が強いのですが、堀部さんの建築は、理屈でないというか、分析できない心地よさがあり、日本でそれを感じられたのは、吉村順三さんの住宅とか、もしくは無名だけど良質の日本の建築にも感じられるような「質」のものだと思います。
そして、その質というのは、やっぱり「光」のデザインなんだなって思いました。
大きな空間構成としての陰影のつくりかた、そして、素材のテクスチャとししての微妙な陰影のつくりかた、また形のエッジのつくりかたによる陰影。
そして、やっぱり、樹木が空間ととても良いバランスで存在していることが、形状の固さをうまく和らげてくれているように思いました。
といっても、堀部さんのデザインは、ある種の形式性を目指されているので、建築だけ切り離してしまえば固いのでしょうけれど、やっぱりつねに自然環境や、植栽といったものとのバランスを通じて、建築に内在する強い意志を和らげているように思いました。
ひとりの建築家が創造するというよりは、過去に限りなくつくられてきた建築や、自然環境といったものの中から発見をする、というようなスタンスなのかなあ。。
確かに一人の建築家ができることは限られていますし、自分が創造主になったように思うのはおこがましいのだろうなって思ったりもします。
さあ、また頑張ろう。

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On 9月 15, 2008
by hase
in けんちくーみる

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