STOP! 大規模木造
- 2014.06.24
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最新号の日系アーキテクチュア「活気づく中大規模木造」という特集ですが、内藤廣さんがプロポーザルで取った草薙体育館が立上がって来たという事でメインに扱われています。
何度か、何度も?書きましたがとても違和感があります。
まず内藤さんの提案地元材を構造的にも大々的に使うという事で取ったようですが、実施に当たっては構造家が「完全に行き詰まって七転八倒した時期もあった」と言っていたり、中間免震という特殊な技術を使ってやっと実現できたりと、つまりどう考えても無理矢理木材を構造材に組み込んだとしか言えないわけで、それはコンペやプロポーザルの限界でしょうけれど、実現性やコストなどが多少不問に付されたまま選ばれてしまう歪みですし、それは例の国立競技場の件も同じですよね。
あと何故集成材なのか?というのはまあくどくど書きませんが、やっぱり木の美しさが失われてしまっているし、接着剤は一体何年持つのか?50年後に剥がれて崩壊した時に誰が責任取るの?剥がれかけたら使用禁止にするしかないけどそんなのがいくつも現れないとも限らない。
あと、杉材であれば、植林は100年以上前から沢山されていて、奥にゆけばまだまだ太い良材があるはずなのに、林道の整備?やら運ぶのが大変やらで手前の細いやつばっかり取って来るから太い製材は採れないし、大断面にするには集成にするしかない、っていうのもあるのでは?と思ってます。
それって(現実とは違うけれど)本当に美味しい大マグロが深くにはウヨウヨいるのに、浅いところにいるそんな美味しくないマグロを沢山取っている状況に近いと思うのですが、それはマグロの数が減らないようにするには逆効果ですよね?同じく杉だって若いうちの方が二酸化炭素吸うらしいからやっぱり老木から切った方が環境のためにも良いし、赤身という腐りにくく長持ちする良材が取れるわけです。
さて、大マグロが以上な高値で取引されるのに、杉は若いのばっかり切られる理由は、マグロの味の違いは消費者が良く知っているのに、太い丸太から取った材の良さを消費者が知らないからだと思いますし、国も市もとにかく地元材を使えばそれで補助金なり出しますからとうスタンスだから、業者だって高い良材提供しなくたって、最低の材でも地元材提供すれば良いわけですw
あー。嫌になる。
まあ協力してくれてる材木屋さんもありますが、でもそのうち自分で材木屋さんにも首突っ込まないと限界があるんじゃないかと結構真剣に考えてます。つまりそうすればもっと良材がもっと安く使えるはずだと。
まあマグロみたいにみんなが味を分かっちゃうととんでもない値段になるから、そう言う意味では限られた方だけに本当の価値が分かっている状態の方が良いのかもしれないけれど、でももっと細々とした事では林道の整備をもっとしろ、とか言ったって出来ないんだからある程度の規模は必要なんだろうなとも。
まあ草薙体育館、出来たら見に行ってみますが、内藤さんは好きでしたが、新国立競技場の戦犯の1人です。安藤さんも含め、東大とか傲慢になるのか、がっかりです。