S邸に久しぶりに。

  • 2008.01.10
  • BLOG


訪問してきました。
竣工後、もう4年半ほど経っていて、私が独立して設計させて頂いた中でも5件目程のものですので、その当時の事を思い出しながら、奥さんと施工頂いた石垣さんと談笑しているうちにすっかり長居してしまいました。
今私は、デンマークの家具がとても好きですが、もともとは、この時にご紹介頂いたのがきっかけでもありましたし、家具や雑貨などの話題でも盛り上がりました。
設計中はまだ回りの区画にはまだ住宅がなかったのですが、今ではほとんど建っていて、視線や音などが気になられているなかでのご相談や、玄関周りの杉板の外壁の様子を確認させて頂きました。
軒が出ていないところでの板張りということで、少し不安もありましたが、耐久性のある特殊な塗料を塗っていたこともあり、反りはありましたが、材料は思ったよりもしっかりしていて、焼き杉のようなとても落ち着いた風格が出てきていて、また、内部もとてもきれいに住んで頂いていて、嬉しく思いました。
お話の中で、設計している当時に私がお話した言葉や、最終的には採用されなかった案などについてもとても良く覚えていて頂いて、そしてそれを聞いて、私も当時の事をとてもはっきりと思い出したりして、少し初心に帰ったような、気の引き締まるような気持ちにもなりました。
このように、年月とともに古美(ふるび)てくれる材料を使うというのはとても大切だと思う反面、やはり、注意して設計、施工をし、またメンテナンスも多少気をつかわなければいけないのですが、それにも増して、価値があったように、私自身は思いました。
最近も外部に木を使う事は多いのですが、いつもメンテナンスの事と、それでも毎日目にするところには是非木を見せて使いたいという気持ちのバランスを、どこで取ろうか悩み続けていますが、5年近く経った状況を見せて頂き、これからも、十分に配慮しつつも、外観としても木を使ってゆきたいな、と思いました。(新建材と違って、自然のものは生き物なので、奥が深く難しいですね)
と言っても、センス良く使わないと、ただ手間がかかるだけになってしまいます。
そのセンスは、持って生まれたものもあれば、日々の努力で、常に常に良いものを追い求める姿勢の中で身に付いてくると信じて頑張っています。