Ab邸
- 2008.01.11
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竣工をあと1月ほどに控え、現場も随分慌ただしくなってきました。
家具が付き、内装ボードが張られると、概ねの形状が現れてきて、やっと空間らしさが出て来て、楽しい反面、設計がうまく形になってくれたかどうか緊張しながら確認をする瞬間です。
もう少しで外部足場もはずれ、内部の漆喰塗が進めば、いろいろなものがもっとすっきり見えてきますし、出来上がればウェグナーの家具を納入させて頂く事になっています。
この三角のデッキ部分にはベンチもつくってもらう設計になっていて、とても気持ちのよい場所になりそうですし、画像にある浴室は、腰から上を青森ヒバ、腰から下を十和田石で仕上げ(今はまだ防水下地の状態です)、窓もすっきり大きく眺めを切り取り、とても気持ちよくお風呂に入れそうです。
木製のサッシュや、そんな浴室や、製作キッチン、そしてガレージのシャッターも特注でこの住宅に相応しいものを考えたりと、既成部材が少ない住宅なので、設計も施工も、そして工事のチェックも大変で、建築主さんも、現場の進行を大変気にして頂いており、最後までより良い仕上がりになるように、気が抜けないけど、やりがいのある仕事です。
敷地を与えられた白紙の状況から、様々な案を考え、構造的な強さや様々な仕上げや設備を検討し、見積りを何度もチェックしつつ予算に納め、工事中も様々な確認をしつつも、より良くなる為であれば変更を惜しまないというスタンスでやっていると、工事中もなかなか手間がかかります。
もちろん現場での変更は施工者にも負担をおかけしてしまうのですが、作ってしまってからではやり直すのは大変なので、やはり少しでも良くなるためであれば、大変であっても、つくる直前まで悩んでしまいます。
建築というのは、検討し、悩み、手間をかければかけるほど、美しく、永く存在する価値のあるものになってゆきます。
世界各地に残る、遺産たちや、そこまで行かずとも古くてもきちんと残っているものは、例外無く、つくった人々が大変な思いとエネルギーを込めてつくってきたものばかりです。
それは何も、石や高い材木を使わずとも、ありふれた材料でも、適材適所に、どんな寸法でどんな組み合わせで使うかと悩み尽くせば、きっと実現できることだと思っています。
と、大変な分、正直、竣工するのがより楽しみになるものです(^o^)