1年検査に
- 2009.03.10
- BLOG
1年って早いもので、今日、施工者とお邪魔してきました。
途中で何度かお邪魔したりいろいろお話もしていましたが、改めて、1年、四季が過ぎた後で不具合や様子を伺ってきたのですが、概ね、とても良い状態で住んで頂いていて、改めて嬉しく思いました。
画像の浴室(これは竣工時のものですがほとんど変わってない!)も、とてもきれいに使って頂いていて、今だにヒバの良いにおいがしましたし、木製窓や漆喰などもとても良い状態で安心しました。
私のような設計事務所に設計を依頼する方は、概ね住まいに対する思いが強いのですが、特に思いの強い建築主でしたし、それが今の良い結果につながっていると思います。
僕は基本的に「つくりやすいようにつくる」というのは嫌い(当たり前ですが)ですが、「つくりたいようにつくる」というか、ずっとずっとそこに住む側の気持ちで、どうあって欲しいのかを追求すれば、自然と、愛おしい住まいができると思います。
「つくりやすいようにつくる」というのはアメリカ的な発想で、表向きはもちろん、使う側に優しく魅力的なようでいて、でも実は「売れる」ために化けの皮をかぶった、赤ずきんちゃんの狼的な存在なんだと思います。そして実は根本的に使う側には立っていない。
だから、今の不況をみてもわかるように、調子良くものが売れているときは良いけれど、ちょっと調子悪くなったら化けの皮がはがれて、私たちは砂漠に置き去りにされるような状況になってしまいます。
昔から「目的」と「手段」をはき違えていることで多くの問題が起きていると思いますが、例えば「経済」というのはもちろん「手段」にしか過ぎないけど、ほぼ「目的」と化しています。だから本来の目的である、ぼくたちの幸せなんて、大きな困難を超え自分で勝ち取らなければ得られないわけです。
話が大きくなってしまいましたが、戻り、、住宅も同じで、大きな困難のを超えて勝ち取らなければ、決して良い結果は得られないと、正直、プロとして思いますが、だからこそ僕の仕事が必要なんだと信じているからこそ、その困難に向かおうとする(つまり建築主さん)のために全力を尽くしたいと思えるのかな、と思います。大変な事ももちろんありますが。
経済がガタピシ言っている今だからこそ、本当に意味のある、価値のあるものを見つめ直す人が増えて欲しいなあと、きっとそうなるに違いないと期待しています。