脱炭素と省エネ性能

  • 2022.02.10
  • BLOG


日経アーキテクチュアの特集「脱酸素大改正に備えよ」で、住宅も省エネ基準に厳しく適合を求められる、などの記事が。
 ZEH/ゼッチ(ゼロエネルギーハウス)など、多くの住宅メーカーなどがこぞって売りにしている省エネ性能。
当社でもご希望でしたら取り入れることはできますが、世の中順序が逆になってしまっているように思います。つまり省エネ性能は性能の一部でしかなく、もっともっと大切にしなければならないことがあり、それをしっかり実現した上で、その性能も高くするのはもちろん良いけど、ハウスメーカーの家にはその大切なものが根本的に欠如していると思う。
また、今回の大改正とやらは、菅内閣が20年に出した「カーボンニュートラル宣言」の余波のようですが、もちろん化石燃料を使い続ける世界は止めるべきなので、目的は正しいのだけど、今の流れで省エネ性能が高い家を量産したところで、本当に脱酸素が実現できるのか?つまり建てるまで、壊す時までのライフサイクルを考えた中で、本当に炭素が減らせるのか?そこに大きな嘘があるのを見て見ぬふりしている。そして省エネ性能がハウスメーカーが家を売るセールスポイントになってしまっている。
もちろんとは言えども、「性能の一部」ではあるので、必要に応じて高めるべきなのは当然ですし、軽んじていると思われては困ります。
上の画像、記事の一部だけど、ZEH化すると建物がずいぶん重くなり、同じ構造体のままでは耐震性が落ちる、ということは間違いないけど、なんか変な話ですよね。
省エネ性能を上げるために窓は小さくなり、ある程度耐震性も上がるからバランスは取れるのだろうけど、北欧とか日本でも寒冷地は別として、家って外の環境から逃れて篭るために存在するんじゃなくて、お庭や外に開かれて、四季や1日の変化を感じて、心豊かに日々を生きられることが大切だと思うんだけど、世の中はそれを許さなくなってきている。
もちろんバランスよく性能を高めながらそんな豊かさを実現することはできるので、これからも取り組んでゆきますが、国の方向は、浜松などの温暖な気候の地域には無駄に厳しすぎるのは間違いない。
けど、補助金やら色々優遇措置もあるから、個別に施主さんと相談しながら積極的に検討してゆこうと思いますが、色々手間は増えるので、建築としての質だけは落とさないように頑張ってゆこう。。