竿縁と中庭の平家
- 2023.06.08
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藤枝の現場。竿縁、と呼ぶしかないのですが、いわゆる和風の竿縁とは根本的に違うと思っています。
軒先は先行してますが内部はこれからこの竿縁の上に杉板が施工されるので、まだ分かりにくいですが、内外に連続して天井全体を覆います。天井材を下から打ち上げるのは大変ですが、このやり方も何かと大変です。でも長く存在すべき建物は重力に逆らうべきではないのと、陰影を作ることは大切なことです。
軒先側はこんな感じで、以前の水平垂木と似てはいますが、断面や窓上の寸法がよりスリムになっています。
また竿縁と読んではいますが柱梁や垂木と構造的にも接続されているので間違いなく構造的にも強くなるように考えました。
おそらく水平垂木同様、他の方はやってこなかったやり方ですが、目新しいことをやりたいわけでなく、木造だからと屋根勾配なりに内部の空間ができる、というあり方について、もちろん良さもあるのですが、上記の通り、作るにあたっては重力に逆らうべきではないけど、かと言って、空間として重力を感じさせてしまうとちょっと重苦しくもあるため、水平垂木〜森林組合のトラス〜このような竿縁天井、と試みてきました。
化粧部分は基本的に赤身の節もかなり少ない材を良材を揃えてもらっていますし、仕上がって来たらその価値がどんなものか、分かっていただけるかな、とは思います。