竣工写真1/藤枝の竿縁の平家

  • 2023.12.26
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撮影いただいた写真データがやっと仕上がって届きました!2回に分けてアップ致します。
依頼したToLoLo studioさんは、何人かの写真家さんのチーム?でやってられて、バイタリティというか僕に欠けているところを足してくれるように感じられ、名古屋と多少近くもあり依頼しました。
「竿縁」は決して和風のそれを目指した訳でなく、以前の「水平垂木」の後、もう少しそれを細くしたいな、とか長期優良住宅の耐震等級や断熱性を確保するためにアレンジしたいな、と考えて発展させたもので、垂木ではないし、竿縁と呼ぶしかないか、ということでした。
木造住宅をたくさん設計させていただいてきた中で、「ボーッと気持ち良く過ごせる」こと。きれいな海や豊かな自然に包まれた時と同じようなそんな空気感を住宅でどうしたら実現できるか?考え続けてた結果の僕なりの答えです。
そのためにも、目や肌に触れる素材は優しく清らかであって欲しく、また単なる面でなく、光によって刻々と変わる陰影を持つものであって欲しい。そして内部と内部が気持ち良く繋がるような窓と軒のディテール。

いつもの板塀に囲まれた庭とアプローチ。

大きなスパンや跳ね出しでも梁は天井内で処理し、このようなすっきりした見せ方にしてます。
最近は力強い梁、というのは目指すところではないと思っており。。

敷地が広く、住宅に囲まれているので中庭を作っています。

中のダイニングキッチンからはこんな感じ。やっぱり中庭は落ち着きます。

H型平面をしていて竿縁の方向を切り替えているので少し不思議な見え方。竿縁なんてなくて、平らに張った方がすっきり見える?そこは好みで感性の部分でもあるけれど、天井を下から張る、という作業は結局接着剤頼りで、大工も上向き作業はとても大変で(これも技術は必要ですが)という現実的な理由もあります。
ソファや椅子は撮影用にうちのものを。

コストや断熱性確保もあり基本アルミサッシで、既製寸法の最大のものを使い、それに合わせて天井は2320ミリ。低めだけど落ち着いてちょうど良いと感じてます。窓の上の壁?を最小限に抑え、竿縁が内外連続して見えたり、内部引戸の上を欄間にして締めていても天井が連続してゆくようにしています。

そしてもう一つの中庭には洗面、物干しとお風呂のプライベートな部分のみを。
お風呂や洗濯物なんて見せたくないし見たくもないので、贅沢でもこういう配慮をすることで日々がとても気持ち良くなります。

続編(夕景)は後日。