竣工しましたー外観
- 2008.09.25
- BLOG
ここでも何度も上げてきました住宅が竣工しました。
やっぱり全て完成し、植栽も終わると随分雰囲気が出るものです。
なんと言っても、角地に面する12角形の半分になった平面の部分が、内部からもとても特徴的ですが、外観としてもとても目をひくと思いますが、僕の中では唐突な形ではなく、この角地、またなかなか良い自然や良質なまちなみの中で、建ったばかりですが結構あるべくしてあったような感じにできたと思っています。
今回は、全体として難易度の高い工事でしたが、特に屋根は結構大変だったようで、施工して頂いた担当の方もせっかく頑張ってきれいにつくった(けれどなかなか目線から見えない)ので、と言って、高所作業車を持ってきて頂き、僕も便乗して(初めて乗りました)乗って写真を撮りました。
道路からの目線と比べるとやっぱり見え方が随分違います。
いつも設計をして模型をつくって施主さんに渡すときに、模型は上から眺めるんじゃなくって、実際の目線の高さでグルグル回してみてくださいって言う理由はここにあるのですが、建築物というのは普通は、目線から見られることが宿命であり、それを意識しながら設計をしないとダメなんだと思っています。
また、今回は半円形(12角形)なので、平面的にも見るアングルによって、随分印象が変わるのも面白いところだなって思いましたし、考えると、円形の建物っていうのは、昔の竪穴式住居しかり、結構原初的な形なんだから、ある種自然な形なはずなんですが、今の生産システムというのが、直線、直角という物差しを基準としてしまっているためにつくるのが大変になってしまっているだけですね。
「変わってる」といろんな所で発せられる言葉だけど、その前に、変わっていないと言えるものっていったい何なのか?そこにどんな根拠があるのか?ただ今の多数派なだけじゃないのか?っていうことを考えてから発して欲しい言葉だと思いますし、僕は変わってる設計をしているつもりは全くなく、「在るべき」姿を求めているつもりだし、今回もそんな意味では、ありふれた形では決してないけれど、在るべき形になっていて、そこに居るととても気持ちよいなあって思いました。
なかなか設計中、工事中には当事者として感じられないのですが、竣工して、少し落ち着いてその空間を感じた時に、とてもとても良い気持ちでした。
引渡しというのは、設計者にとっては、少し寂しいもので、引渡が終わって事務所に帰りながら、なんか寂しいね、っていつも言っています。