竣工−2

  • 2008.02.15
  • BLOG


また内部の前に南東角のデッキです。
一番いい場所を外部にしてしまっているとも言えますが、2階が生活空間なので、内部と外部をつなぐ空間をきちんとつくることによって、視覚だけでなく、身体感覚としても内外のつながりを感じさせるような空間にしたかったことと、この角を切ることで、「東面」「南面」という2つの面にバッサリと分けることなく、視覚や陽射しを連続させることができること、また外観的なこと、など考えて、大きな三角のデッキ空間をつくりました。
また、そんな空間をより強めるためにも、ここはやっぱり木製建具にして良かったと思います。
ここにアルミのフレームが来てしまうということは、やっぱり「内部」「外部」の境界をアルミという材料によって明示してしまう事になるからです。
デッキの材料を、設計のときからずっと悩んでいて、耐久性を考えて、堅くて耐久性はあるけれど、正直木とは感じられない、最近良くあるデッキ材にしていましたが、現場が進むにつれ、やはりここは、内外をつなぐ大切な場所だし、内部もとても良い北海道ナラ材の床にして、とても「木」らしさが出るのに。。。と悩んで、唐松になりました。
結果やっぱり、変えて良かった。
今の時期はまだちょっと寒いですが、少し日が射すだけで、ここはとても気持ちのよい場所ですし、手すりにベンチもつくってみました。
と、なかなか普通は実現しにくい事も、思い切ってやってみると、やっぱり思い切り気持ち良く、その思い切った設計も、やっぱり、建築主さんの住まいに対する強い気持ちがあったからこそですし、大変なことも沢山ありましたが、本当に良い勉強をさせてもらったと感謝してます。
またこのデッキを見上げた写真ですが、なかなか面白いアングルと思い撮りました。
最初は角の柱の1階部分をなくしたいと思いいろいろ検討しましたが、やっぱり木造では難しく、柱を通しましたが、でも逆にすっきりしたように思いました。
力業でなんとかする設計と、材料の性質に素直にする設計と、どちらも善し悪しですが、素直につくれば素直に見えます。
ただ素直すぎると野暮ったくなることも往々にしてあり、少しギリギリ細く、薄く見せたりしながら全体の緊張感を保ちたいと思っています。