今さら浜松市大河ドラマ館プロポーザル審査結果
- 2022.02.25
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情報公開制度によって、ヒヤリングに進んだ5社の応募内容と採点結果(当選案以外は社名など特定できないようになってますが)をもらいましたのでざっとまとめてみました。
当選した須山案と当社のものの点数は結果通知で聞いていたので、なんでそんな大差が、と思っていましたが。。。まず他4社とも、資料の枚数が膨大で、表に記載の通り、各社40頁くらいに対して当社6頁。笑うしかないですが、要項で「40項程度にまとめること」(決して40頁ではない!)と書いてありましたし、普通建築設計のプロポーザルなんて、逆に数枚にまとめることを求められるのが普通なので、僕の思い込みですね。。あと実際書類は僕一人でまとめたようなもので、他社さんのような膨大な資料は作れませんでしたし、実施体制ひとつとっても須山さん含め大きな会社が提案されているはずなので、まあ元々お呼びでなかったのか、というところですかねえ〜。
細かな提案内容は枝葉末節だと思うけど、その膨大さも求められていたようで、でも「コンペ」ではないのだし、採用が決まってから案の骨格を生かしながらアレンジするのが当たり前だと思っていたので、そこは誤算でした。
まず全体を見渡せるパースと配置を並べ、左に構造も整理しましたが、僕だけ木造で他は基本鉄骨。でも解体しやすいようにプレハブ的な提案も多かった中須山案は重量鉄骨!とか書いてあって驚きましたw
また各社とも予算いっぱいの金額で提示してある中で僕はどう考えてもそんなかからない、と結構安く出して公金を無駄遣いしないようにと願いましたがそれもなぜかその採点も低かった。予算残されても困るんだろうけど、その予算はどこかのコンサルとかで想定された?んだろうけど、1年で壊すものにそんな予算が緩くて良いものだろうか。。
まず大きな配置の案が重要なので、ドラマ館、事務所、販売エリアの配置を各提案の平面に書き足してあります。
そしてこれは須山案についていた配置計画の比較ですが、え??と思いましたので青と赤で意見など書き足してあります。
「以上より全ての面で優れるD案を採用」されたそうで他社さんはA、B案を採用されていて、でも当社の配置はないので下にF案として足して、僕が書くからそうなっちゃいますが、良いところを書いてます。
とにかく僕としてはドラマ館が主役ですから、その配置や見せ方は多少の使い勝手より重視されるべきだと思いました。でも来客用の北西と南の入り口や、今の敷地の状況を見れば分かりますが、D案のドラマ館の配置は目立ちづらく、端っこにあるような感じになってしまうのではないかと思っていたので、僕は北西配置にしていました。また販売エリアって、美術館でもそうですが、展示を見終わったら必然的につながっているような感じだと思いますが、D案では切り離されてます。販売だけに入る人はほぼいないと思うけど良いのかなあ??
まあそれ以前に提案書を細かく読んでみても、どうにも違和感しか残らないですし、大差で負けたにしても、提案したものが実現して欲しかったと思うばかりですが、当初からどこかのゼネコンさんと組んで(設計担当で入れてもらって)装飾や細かな資料は作ってもらって、というくらいしかその見込みはなかったのでしょうから、まあ政治力やら、付き合いやら、僕には欠け過ぎだな、というところです。
でもまとめとしては、今後も浜松市さんには是非もっとプロポやコンペを実施して頂きたい。それも今回のように工事も込みだと案の良し悪しと違う次元になってしまうので、設計だけで!そして、せめて審査委員は公表して(しない、できない理由って何なんでしょうね?)、建築の本当の価値がわかる建築家(それが色んな意味で難しく厄介なのは分かりますが)も入れて、結果話題性と価値のあるものが実現して欲しいと思います。静岡市でも SANAAが選ばれてやってますし、新県立図書館のプロポも公開プレゼンが行われたようですし、浜松も負けずにやって欲しいですね。
また提案書などのデータ合計100MB以上ありますが、ご希望でしたらご連絡ください。
以前あげた当社案 もご覧ください