楽しい時間
- 2008.09.10
- BLOG
昨日、しばらく前に引き渡した住宅にお邪魔して、住まわれた後の写真を改めて撮影させて頂いてきました。
特に住宅を設計するということは、「生活」という生々しい行為と、空間として美しく在って欲しいという気持ちと、どのように折り合いを付けさせるべきかという悩みを強く持たざるを得ない、そして持つべき事だと思っています。
竣工し、生活感が漂う前にだけ美しく感じられるような空間を目指すことはできますが、それ以上に、生活が営まれようとも、空間として良いと思えるようなものをつくる方がずっと難しく、そして価値がある事だと信じてやってきたつもりです。
住宅にはある種の「おおらかさ」が間違いなく必要で、様々な営み、様々にあふれる物たちをいかに包み込むかという事が大切で、それがないと、とても居心地の良くない空間になってしまうと思っています。
そんな意味で、生活されてからの空間を撮らせて頂くということはちょっと自分が設計者として試されているような気持ちになるものなのですが、この施主さんは、本当に一緒につくりあげた住宅が大好きで、家事をするのも、時を過ごすのも楽しくして頂いていて、そんな事が写真にからも伝わるように思います。
すっかりお茶を頂きながら談笑し、長居してしまいましたが、なんとなく、同じ職能人として意識のつながるところもあり(ずっと先輩ですが)、お話をお聞きしていてもとても良い刺激を受けて、また頑張らなきゃ!という気持ちになってきました。
家に居るのが一番楽しい、なんて、そんなのが本当にあるなんて言うのは、こんな仕事をしていながらも、恥ずかしながらやっと気づかされたような、そんな経験でした。