杭打ち
- 2008.04.09
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木造住宅への増築と、業務用の用途の合築の、木造平屋ですが、地盤が良くないこともあり、鋼製杭を使っていて、今日工事の立会いをしてきました。
増築でもあり、既存の配管なども思わぬところから出て来たりで、施工側も大変です。
僕が現場に着くと、監督さんたちや杭施工、配管関係などで10名近くが現場にいて、びっくりしました。
建築(というか建設)という業界は、それぞれ違う敷地にそれぞれ違う建物を、様々な職人が代わる代わる現場に入る訳ですから、とても効率の悪い業種だと思います。
でも、もともと建築という意味の「architectue 」は「最高の地術」といった意味で、たとえばミケランジェロとか、昔の本当に偉大な人物は最先端技術として建築をつくって来た訳です。
そんな建築も、今では、産業としては大変遅れた産業になってしまったと言えます。
でも、遅れたというのは「産業的」「効率的」という意味で、もちろん天気が悪ければ作業が止まってしまったり、ちょっと段取りを失敗すれば、仕事をやりなおしたり、そんな面ではそうなのですが、でも、他の産業では持ち得ないこと、「その土地に」「そこだけの建築を」つくるというかけがえのない面をもっているわけですし、それこそが建築の価値だと思います。
新幹線や飛行機などはどこの国がつくっても行き着くところは同じですが、建築というのは本当に古今東西、多様を極めていますし、それが建築の姿なんだと思います。
つまりは、多様(といっても何でもアリという意味ではない!)を楽しむゆとりが必要なんだと思います。
誤解のないように書きますが、「多様を楽しむゆとり」というのは、単に他人と違ったものにしようと表面だけ差別化しよう、なんていう軽薄なものとは無関係です。
食であれば、本当に様々な食材を様々に調理し、盛りつける、という文化があり、音であれば、本当に様々な楽器がつくられ、それらが様々に奏でられるという文化があります。
それに比して、建築は「文化」と呼べる状況でしょうか??
文化と呼べるような建築になって欲しいものですね。