材木の構造試験
- 2010.03.25
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最近特に地域の木材を使いましょうという言葉を聞く事が増えたんじゃないかと思います。
林業を廃れさせない為に、また食と一緒で木材の自給率を少しでも落とさない為に、そして外国とか遠くはから運ぶよりは輸送エネルギーも無駄にならないから、などといった理由ですが、余り行政が乗り出し過ぎると、中心市街地活性化と一緒で保護主義的になって逆に自発的な生きる力を失ったりしかねないのが難しい所です。
上記の理由はもちろん意義があっても、でも僕が今地域の杉材を使うのはただ単に美しいと思えるからですし、上記の理由は所詮経済的な話ですので、やっぱり心に訴える何かが無ければ広がらないし伝わらないのではないかと思っています。
ちょっと前に書きました芯去材と、一般的な芯持材の強度の比較試験をやるというので行って来ました。結果的に言うと、芯去材が少しだけ強いのですが、強度的な意味では材の強度ではなく仕口(柱梁のジョイント部)の強度が結局は問題となるので、大差はないと思います。ですが、最近は芯去材は弱いからダメだと言う意見もある中ではそのウソは消えたという事だと思います。
繰り返しますが、僕はただ、芯去材が美しいから使おうとしているのですが。。。
住宅産業は大きなお金動く場ですから、みんな好き勝手な事を言って自分の利益を確保しようとしているので、何を信じていいかなんて、僕たちでさえ分からなくなるときがあるくらいです。
まあでも、目の前で大きな断面の木材が、びっくりするような音(つまりびっくりする力でなければ割れない)をたてて折れるのを見ると、木造の設計をしている事にちょっと自覚的になれて良かったとは思います。
今週日曜はオープンハウス。来月も二つに、うちの上棟もあります。うちのは見たければいくらでも見ていいですけどね。