杉材への誤解
- 2018.10.25
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杉の学名「Cryptomeria japonica」の意味は「日本の隠された財産」というようなことらしいのですが、すっかりお荷物扱いされている昨今、今までそんなつもりはなかったのですが、今後は杉の本当の良さを伝える側に、積極的に回ろうかなんて思っています。
で、この記事の内容も、「お荷物」という目で見た側からのものに過ぎないと思うのですが、まず、「高価な広葉樹」というのはオーク材などのことだと思いますが、それらは主に家具に使われ、硬くて重たいのですが、杉だって家具に使えますが、オークに比べると比重が半分くらい。同じサイズでの値段も(家具に使うレベルやサイズなら)半分くらいかも、ですが、「重量単価」という世の中的にはより普通な考え方にすれば、同じくらい、ということもできます。
次に「安価な外国産木材」というのは基本的に木造の構造材に使う柱や合板などのことと思いますが、上記の家具に使う材とは土俵が違うので、まずそれを混ぜこぜにすることがおかしいのと、杉は腐りやすいかのように書かれてますが、プロならご存知の通り、杉(と言っても赤身ですがね)は積極的に外に使えても、オークを外で使うバカはいませんが、すぐに痛みます。
そして、杉をそんなに硬くする必要があるのか?と問いたいのだけど、確かに紙を敷いてボールペンで書くと跡はついてしまいますが、ナラより汚れはつきにくいし、柔らかい文手触りもよく、硬い木のようなベタついた感じはなく、少なくとも字を書くような天板以外でデメリットは何もないと思うので、こんな変な手間をかけてさらに高い材にする必要は全くない、と思います。
だから僕は、杉の「軽くて柔らかい」というこの記事ではデメリットとされているところをメリットにするような扱い方さえしてあげれば、さらに値段も安いし、日本の森林や環境や林業も守れる、といいことづくだと思うし、それ以上に材をきちんと選んであげれば見た目も美しいし、触ってて本当に気持ち良いんですよ。だから今、杉を使った椅子を開発?中で、最初の試作で見つかった問題など解決しつつ、ちょっと良いものができそうなので、またできたら見ていただこうと思っています。
ただ、書くと長くなりますので今回はやめますが、太い丸太から材を取る必要があります。そしてそれはできるはずなのにしていないのは、やっぱり杉を「お荷物」だと思っているからだと思うので、その発想の転換から始めないといけないんだと思います。