木材会社の事務所工事中

  • 2016.01.14
  • BLOG

nag

もう5年くらい材木を納めて来てもらっている「永田木材」さんの事務所+研修室。上棟後だいぶ形になってきましたが、せっかくなので木造の新たな可能性が感じられるようなものを設計させて頂いたので進捗も楽しみです。

まず、通常の住宅は必然的に壁が多く構造のための柱や壁なのか?間仕切りをただ構造に使っているのか?良く分らない感じになってしまうので、ミース的な美学は追求しにくいのですが、今回は事務所用途でそれほど壁で仕切る必要もないので必要最小限な構造材を研ぎ澄ますイメージで考えたのですが、かといってやはり木造は鉄骨のような剛性を持たないので、正方形グリッドに方形に化粧垂木をかけたものを連続させて、平面的には三角形の組合せになるので水平剛性を確保する事で外周の耐力壁に力が流れるように設計をしました。ただこの形で屋根をかけたら(それは面白いですが)間に谷ができてしまい雨仕舞も良くないので(そんな建物もみかけますけど)大きな寄棟屋根で包んでしまっています。

写真よりも内部で視点を動かしてみるともっと良くわかるのですが、良い感じになってきていますし、もちろん材木も良いものですし、見た目はシンプルですが実はなかなか大変な工事ですが大工さんもとても良い仕事をして頂いています。

前からたまに言ったり書いたりしてますが、木造は国の施策もあり流行っているように見えますが、上記に書いた通り住宅だと構造としては消極的に、というか安いから使われていて結局壁の中にかくれたり、構造的な美しさが全く無いようなものが多いですし、大きな建築物はいつも書くように接着剤頼りの集成材のカマボコ建築ですし、結局耐火性能やなんやで無駄に太くて美しくないというものばかりなので、という問題意識があってこんな設計をしました、という感じですが感じて頂ければ幸いです。

何しろ何代も続いてきた会社でこれから何代も木材の良さを伝えていって頂くために、少しでも良い仕上りでお引渡したいなと思います。