木の文化

  • 2010.03.22
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またSD選書です。って知らない??建築やってれば知ってますよね〜。
お感じの通り、最近「旧き善き(古き良き?かな、でもこの方がしっくり)」に興味が向いてしまっている私です。せっかくだからしばらくは腰を据えて勉強してみようかと思ってます。そしてその後にまた未来向けた何かが考えられそうに思ったりもしています。
半分以上は仏像が何の木材で作られてきたか?という本で、当初は中国が広葉樹の堅木でつくっていたのを模倣してクスノキなどが多く使われていたのが、途中からはほとんどヒノキになり、仏像の表現もとても優しい、ヒノキの木肌を生かしたものになってきたようで、また日本人の美意識の根底でもある、という話でした。
また欧米の家具が広葉樹を染めて木目を誇張して使うのに対して、日本は針葉樹を白木で使ってきていたけれど、欧米化の中で、日本のインテリアも染められて来てしまった結果、ちぐはぐな美意識になっている面は実感しますよね。
いつも書いているように、何も古い価値観を無批判に讃えるつもりは全くなく、でも今の価値観が形づくられて来た経緯を知る事は何よりも大切だと思っています。僕たち、形を考える者にとっては。
今の世の中、工業生産、大量供給という価値観、モノサシに沿わないものは前時代的だと片付けられてしまうのですが、そのモノサシには、本当に心地よいもの、美しいもの、という基準は欠けているので、ムク材は集成材になったり、合板になったりしてきたんでしょう。
言っても書いても伝わらないと思うので、自分の仕事でそれを地道に伝えてゆけば良いかな、という気持ちです。
まあ、午前も打合せでそんな話をしましたが、木材を使えば良いという訳じゃないところが難しく、野暮ったくなりがちなのですが、でもこれまたいつも言う事ですが、昔の日本建築が野暮ったいなんて全然ないでしょ??
それはたぶん、今の設計者より昔の大工の方が美意識が高いという事ですよ(笑)