新建築7月
- 2015.07.04
- BLOG
坂茂さんの大分県立美術館。これは是非いつか見てみたいけれど数年後以降に実際どの程度使われているかを感じてみたい。
世界の人気美術館でさえ、入場料収入だけでは運営できない状況だそうで、できるだけオープンにイベントなどに気軽に立ち寄ってもらえるようにすることでイベント収入や美術館への気軽な入場を誘う、という意図でつくられたそうだけれど、大分、という地域でそれがどこまで実現できてゆくか?欧米の美術館コンペでは事前に館長が必ず選ばれているそうだが、今回は残念ながらそうではなかったからこそ、新館長に期待がかかるわけだが、設計者の意図がどれだけ反映された運営が実現されるか?
やっぱり設計者がいくら考えても、どんな素晴らしい案を出そうとも、実際使う方の意志や意図と合わない限りは良い結果にはならないので、本来、コンペをするような、新しい試みであればあるほど運営側の体制が先にしっかりつくられるべきだと思いますが、そうでなかったから、日本に幾多の美術館はあれども、しばらくして行ってみると建物だけ立派で閑散としているケースが多いんでしょうね。ああ無駄遣い。
でも坂さんは本当に建築家の中では突出して真摯な方だと思う。いやそれが当たり前で他の建築家たちが傲慢(あんたがそれをつくりたいだけでしょ?)とも言えますね。
さて画像の右下。ミラノ博覧会日本館。立体木格子は日本館としては良いしデザインも良いけど、115角の柱が集成材なのがとても残念。もちろん理由はあるだろうけど。。
画像にはないけど、日建設計のコープ共済プラザは、逆梁とすることで(近年落下が問題となってる)天井をコンクリートのままとした結果天井に照明がなくタスクアンビエント照明となり、バルコニーがFLから下がる分に緑化をして、などなどシンプルな操作で色々新しいものを実現していて、さすが日本一の事務所だと感心しました。