新建築11月
- 2015.11.02
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表紙(左)は法政大教授の網野さんのご両親の家<木のカタマリに住む」ですが、スイスやウィーンに永く住んでられたそうで、あちらではこのように木を積層して塊にして使うケース多いようですし、最近日本でも使われる事が増えてきましたよね。
この写真も含め、感じは良いですが、どうしても気になるのは、木というのは見た目も室内環境としても肌触りとしても良いのですが、何故一番肌に触れる「床」がモルタルなのか??床暖房は入っていて日射の蓄熱には有利にしても、ムクを使うなら床が一番先だろ、と僕は思ってしまいます。あと屋根が陸屋根で、軒は出ていませんが、ご両親の家だから自己責任ですが、ちょっとデザインに走ってしまったのではないですか?と思ってしまったり。。
あと右上のは耐火のために無理矢理巻いてつくった木の柱ですが、木の良さが全く感じられない。。右下のは竹原さんで、内部の組み方なんて感心するところもありましたが、外観はやっぱりちょっと木の良さがない。。流行りで無理矢理木を使わせるのはよいけど、良さを殺してしまって美しいと感じないものを量産すれば、結局木の価値を貶めるだけじゃないかと思います。前も使った喩えか、カマボコを沢山食べさせて、魚っていいでしょ?なんておかしいでしょ、というか。。
でも本誌にある、坂茂さんの無垢杉の家、ミースの分析から今までもつくってこられましたがこれはバルセロナパビリオンを四寸角のヒノキを重ねてつくった感じですが、さすが上手につくられてますし、素材の良さを引き出していると思いますが、構造や施工で随分際どい事はやっているから実現しているのだとは思いますが、でも良いです。樹って幹が枝になり葉になり、やっぱり下はどっしりしていても先端は繊細な存在ですよね。だから木造も同じくそうあるべきなんだと思いますね。そういう意味で評価できるものは本当に少なくて残念だと思いますが、カマボコばかり食って何も思わない人に、新鮮な刺身や焼き魚の価値を力説しても仕方ないようなもの?かな