新建築10月

  • 2018.10.05
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木造特集で表紙は手塚ご夫妻の、富岡商工会議所会館。さすがに発想ー構造ー表現がストレートで分かりやすい魅力的な建築とは思いますが。。

他の作品たちも含め、どの国のどんな木材かなどを記載しているのですが、これは米松で中東で集成材加工されたそうですし、他のも外材や集成材が多い一方、特集記事には、私たちが使う木材と同じ量くらいの材木が毎年成長を続けているにも関わらず、その1/3程度しか使っていなくて、残りの2/3は外材だそう。つまり量的には輸入しなくても賄えるのに、使わず、もちろん林業にもお金が落ちず、森林は荒廃に向かっているのです。

まあそれは大切なことのはずですが、きれいごと、なのかもしれません。でもそれが、本当は近海で美味しい新鮮な魚が沢山取れるのに、缶詰やら加工品を海外から輸入して食べてばかりいる、としたら、「勿体無い」って思いますよね?僕はそれに近い状況だと思うから、残念だなあ、と感じています。

ネットで見つけたのですが「杉」の学名は「Cryptomeria japonica 」で「日本の隠された財産」というような意味だそうですが、僕は自分の家や設計の中で杉という材にずいぶん触れてきましたが、その意味が今は実感できますし、それも上記のように、まだまだ全然余っているんだから、もっと使おうよ。と思いますが、でも実際は杉なら良いわけではなく、赤身や柾目(それは太い丸太から出ないと取りにくい)、そして節も少ないもの、というと確かに取るのは難しいのは理解はしていますが、大トロに大金をだす、ほど行かなくとももう少しお金を出してでも欲しがる方が増えれば、供給体制もできて、林業、製材側も当然、付加価値のついた仕事の方がやる気が出るに決まってますからいろいろなことが好循環を始めるに違いない!と信じています。それに美しい建築も増え、そんな良材を扱える大工などの職人の技も守ることができる。

このことはずっと考えていましたが、何か実際に動かしてゆかないと周りも動いてゆかないので、この半年くらいでちょっとしたプロジェクトを進めようと思っています。

と、すっかり脱線しましたが、また改めまして。