新建築9月

  • 2015.09.13
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sk1508_webフォーマット_CS4_決定

伊東豊雄さんの「ぎふメディアコスモス」。。。せんだいメディアテークはとても良いと実際見ても思いましたが、こちらは余り見に行きたいとも思わない。。。

コンペ案を見たときからというか、近年の傾向というか、隈さんが何から何までルーバー的にして、それがまたCGだと良く見えて沢山のコンペを制して実現して来たけど、でき上がると軽薄に見えた、というのと同じように感じてしまって、隈さんは軽薄に見えて何が悪い?弱い建築とは軽薄なんだ!と言われるかもしれないけど、僕はやっぱり建築は弱く在って欲しくないと信じているからこの手の建築は好きになれない。。この「グローブ」というのはポリエステルの布らしいけど、写真映えはしているけど、これ建築の力じゃないでしょ?と思ってします。一方のせんだいには建築の力があったと思うのであります。

じゃあその建築の力って何なのか?というと、結局「情念」みたいな答えになってしまうのだけどその建築に生命が吹き込まれたかどうか、と言い換えた方が分かりやすいか、その建築家が、背骨から細胞までコントロールする事によってのみ可能な事だと思うので、やっぱり敷地や予算や施主の条件プラス、その建築家が本当に心身ともに充実した時期にのみ生まれないようにも思うから、やっぱり年配になると難しいのかもしれないですね、って村野藤吾やオスカーニューマイヤーみたいな例外はありますが、それは流行りにのみ込まれずに自らのスタイルを貫けたからなのかもしれません。

小さな仕事でも生命を吹き込みたい、と常々思いますがやっぱりハードルは高いですし、流行りを気にしたらそこで終わりだと思っています。また、事務所を経営し、限られた予算で出来る限りの要望を満たし、様々な性能を確保してゆくだけでもとても体力と集中力が必要ですが、その上で美しいものを追求するには、やっぱり自分の能力も含めた事務所の能力を常に高く保つ努力をしてゆかないといけないですが、そのためにもやっぱりスタッフの力も借りなければいけません。でもスタッフにとっても設計事務所というのは楽な環境ではないですから、やっぱり建築が好きで、また僕がつくるものを好きでなければ余り頑張ろうという気はおきないですよね。

そういえばしばらく前に、市内の高校生から、僕のつくった建築をどれか見て気に入ってくれたようで、事務所に電話をかけてきてくれて大学の進路をどうしたら良いでしょうか?と聞かれたので、やっぱりせっかくだから頑張って欲しいので自分なりには丁寧にアドバイスしたつもりですし、ちょっと嬉しい気持でした。