新建築2月/集合住宅特集
- 2015.01.31
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長谷川豪さんの御徒町のアパートメント。階高を抑えて10層入れられるので、容積率500%一杯つかうために住戸間に隙間を生む事ができそれを垂直に重ね、住戸の独立感を生む。というコンセプトがうまく実現されているとは思うが、写真で感じるということは実際もっとじゃないかと思うけれど、何だか「圧迫感」がつよい。
それは階高を抑えた結果天井高2200となり、また平面的な隙間を生みつつ10階とするために構造壁も厚めなのだろう。3階4階くらいならもっと軽やかにつくれてベターだったんだろなと思いつつ、まあ容積率残すわけにはゆかないとして、でもまあ根本的に、500%の容積率で住宅をつくるなんてやっぱり僕は間違っていると思う。その密集性はある種の貧困に近い(言い過ぎ)のでは?
もちろん効率重視の業務、商業施設における密集性には意味はあると思うけれど、リラックスして寝て起きて過ごす場所としては、僕が開放的に生活する快適さに慣れ過ぎている事もあるけれど、違和感を覚えてしまう。と、作品ではなく社会システムへの批判です。でも、「圧迫感」というのは建築において避けるべき事だとずっと思っていて、ただそれは鉄骨とガラスで開放的にやれば済むという単純な話ではなく、コンクリートで窓がそれほど大きくなくても圧迫感がないデザインもあるし、たとえば洞窟のような場所で少しの入口が空いている場所は、圧迫感というより良い安心感を覚えるしそれは住まいにとっては好ましい質だと思ってます。コンクリートという質感と、包まれているのではなくボリュームとしての強さが勝っているからかな、と。例えば豊島美術館(行った事まだないけど)なんて全く圧迫感はなく心地よい安心感でしょうね。