新建築2月号

  • 2009.02.01
  • BLOG


表紙は堀部安嗣さんのKEYAKI GARDENですが、以前内覧会に行ったので取り上げましたので重複的なことは避けて。。
今月は集合住宅特集という事ですが、まずは全ての作品が東京もしくは東京圏の立地というのは注意すべきところでしょう。メディアとしてそれで良いのかなというのと、結果として土地が高く、変形した土地も多い中なのでトリッキーというか強引なものが多く(だからメディア映えする!)ただ、その中で堀部さんのだけは地に足のついた建築なのでとても対比的に目立って見えます。
設計者が設計を始める時、その建築を何の根拠の元にかたちづくろうとするのかというスタンスで、結果がとても大きく変わります(もちろん設計者が勝手に決められない面はありますが)。
もちろん集合住宅は事業ですから採算性を無視するわけにはいかないですし、強いデザイン性を売りにする事も求められると思いますが、それを前提とした上でも設計者に求められるのは、50年100年後の良質な風景をつくる建築を考える事であり、そのためにはその土地が背負って来た50年100年前からの記憶を何らかの形で継承することなんだと思います。
日本人は、これだけ馬鹿みたいに食べ物の番組や情報が多い中で、舌だけは肥えているようですが、目や耳というのは悲しいかな、、ですよね。
こんな不景気の世の中だから、ついつい目先の価値にとらわれますが、でもこんな時代だからこそ、100年を見越した視線で物事を考えるべきなんだと感じたりしています。