建築ーゆずり葉のデザイン
- 2015.02.13
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大学卒業後、6年学ばせて頂いた、徳岡昌克先生が、10年ちょっと前に出されていて、今頃か!と叱られそうですが、最近、日本建築家協会の「25年賞」という25年以上経った建築を評価する賞に、稲沢市荻須記念美術館が選ばれたと知り(前年度には志賀町民センターも選ばれています)、とても良くできた美術館ですし、25年賞というのもとても良い賞だと思うので、少し懐かしく色々思っていて、読まないとなあ、という事でした。
先生は竹中工務店設計部に50過ぎまでいらっしゃってからの独立で、そのきっかけが荻須美術館のコンペでの獲得だったようですが、私はその10年くらい後に入所して、ご子息が当時副所長でそのラインの設計を担当する事が多く、先生の直接のご指導は余り受けられなかったのですが、でも、今はネット等情報が溢れていますが、当時はやはり、以前のプロジェクトの図面を参照して進めましたし、やっぱり随分、というかかなり影響を頂いたと思いますし、当時のポストモダン建築には共感はできませんでしたが、先生のとても真面目な建築は、特に今思えばとても良い勉強をさせて頂いたと思っています。だから25年賞も、なるほど当然だな。と。でもやっぱり事務所を作られてまだお若い頃の仕事は、私が入った頃のものと比較してもやっぱりオーラが違ったというか、想いがすごく建築に込められていたと思いますし、でもそれは簡単に続けられるようなエネルギーではないのでしょうね。
対談の中で触れられた「建物に生命がある」というのは、僕も最近になってやっと本当にそうだと思えるようになってきたんですが、逆にいうと設計者はその生命をつくっている訳で、少しでも元気に、楽しく、そして長生きして欲しいと(例えば親が子に願うように)思う気持が設計であって、その想いが強いほど(親子は逆効果もありますが^^;)やっぱり建物は素晴らしくなるんだと思います。
僕が勤めているころ「生き様のデザイン」という作品集を出されました。「生き様」なんて、そんな重たい言葉使わなくても、とちょっと感じたりしてしまうかと思いますが、先生の生き様に触れていれば、とても理解ができますし、大事な事だなと思います。
お前には何も教えてはおらん、と言われるかもしれないですが、僕の建築に対する考え方に大きな良い影響を頂いていると大変感謝していますし、そのご恩は次の世代に僕自身が何かを伝えられる事だと信じて、もっと努力してゆかないといけないと、そうしないと叱られる(それなりに叱られました^^;)と思っています。