巨匠の残像

  • 2008.04.29
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どんな職能でもそうだと思うけれど、その道のプロとして、社会に対して、ある「意志」を示し、それが後世に大きな力を与えるようなプロが「巨匠」と呼ばれるべきなんだと思う。
もちろん残した作品に対する評価も大切だけど、その裏にある強い「意志」こそが、時代を超えて評価され、残る作品につながる原点なんだろうと思う。
だから、極端な話、作品の多い少ないには関係なく、多くをつくりすぎる事でその意志が見えなくなる場合もあるように思う。
この本の中にも、そんな意味で、まだまだ仕事ができる年齢で亡くなった建築家が結構含まれるが、それが逆に、若いうちの純粋な意志が残り伝えられたからだとも言えるかもしれない。
私が大阪で勉強させて頂いた事務所の先生も、「生き様」として建築に向かわれていましたし、もちろん巨匠と言われる方々は皆、生き様としての建築として語る事ができますし、そんな本などを読むのは僕は好きです。
日々に、世間に流されないためには「勇気」が必要ですが、そんな生き様たちから、その勇気をもらうことができます。
今の世の中、お金が物差しとなってしまっていることが余りに多すぎますが、職能というのはもっと聖なるものだと信じます。
人の命に関わるもの、人の生き方の豊かさに関わるもの、そんな職業を生業とする人間達はみな聖職者としての意識をもって生きるべきだと思いますし、全ての職業がそう言えると思います。
本当にそうなれば、マスメディアがこんなにはびこる事はないんだと思いますが。。
今日も固いです。3回に1回くらいは、世界の・・・じゃないですが、アホになってみたほうがいいかもしれないなあ。。