岡倉天心
- 2025.02.28
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先日の世阿弥と同じシリーズの古い本。同様に結構学術的というか周りくどく暑い本なので結構飛ばしたけど考えさせられるところがあり。。
茶の本は有名で読んでいただけで、竹中直人主演の天心の映画は以前見て偏ったイメージがついちゃっていた(いやうまく表現されていた)けど、日本の文化などに対するもっと広い影響を与えた人だという事は分かっていなかった。
本書で興味深く思ったところについて。海外も飛び回った上で日本や日本文化にも大変造詣と理解が深く、茶の本含めた多くの著書や発信をしたり、横山大観たちを育てたり、今の日本画の生みの親的な存在でもあったため、戦中の排外的なムードの中ではもてはやされた。でも敗戦後は振り向かれない存在になって、しばらく経ってから日本ブームやらで茶の本が脚光を浴びたりしたけど、僕もそうだったようにそれは断片的な天心でしかない。日本だけでなく、日本にさまざまな影響を与えてきたアジアというものを一つの大きなものとして考えていた。
もう日本もアジアも関係ない。地球は平らにつながったのだ、と言い張るなら単なる昔話でしかないのだけど、僕は決してそうは思わないし、だからこそ、日本やアジア、という自分達が生まれてきた根っこになる部分をきちんと理解して、その上で他の価値観を持つ世界に向き合ってゆかなければ飲み込まれてしまうと思う。だから改めて天心はすごいと思ったので書いている。
最近Threads( SNS)で読んだり書いたりしてるんだけど、家を建てようとしている人が悩みや相談を書いたりしていて、とても気になるから先日書いたのだけど、寒冷地か、温暖な地か、立て込んだ都市部か伸び伸びした地方か?その前提が違うと家の在り方も全然変わるはずなのに、その前提を書かずにみなさん悩んでいる。さらに言ってしまえば海外の気候も文化も価値観も知らないところの家がカッコ良いからと参考にしようとしたりするのはとても良くないと思う。
キャンピングカーのように動く居場所ならそれでも良いけど、やっぱり「その地」に相応しいあり方というのは「その地」をよく知ることから始めなければいけないのだから。
というような意味で本書を興味深く読んだのだけど、最近アマプラなど見ていても、洋物にどうも魅力が感じられず日本やアジアのものばかり見てしまうのは、歳だから?というかやっぱり日本人なのだと改めて思ったり、設計する建物もやっぱり日本だよね、という感じになっているように思う。