屋根のうらおもて
- 2008.07.10
- BLOG
12角形半分の形の屋根がほぼ葺けていました。
屋根が美しいということは、建物のシルエットの中でもとても大事な部分でもあり、また機能としても長い年月風雨から守るためにも、すっきりと美しいことはとても大切な事だと思っています。
銅板は柔らかく施工がしやすいので繊細な屋根が作りやすいのですが値段も住宅向けでなく、コストパフォーマンスが高いガルバリウム鋼板を使うと、複雑な形の部分は、とくに十分に打合せをしておかないと、イカツくなってがっかりしてしまいます。
今回も微妙な角度の屋根でしたが、すっきり美しく施工して頂くことができました。
また、屋根には、「包まれている」ようなシンボル的な感覚もありますので、できるだけ、屋根の存在が内部からも感じられるような設計をするようにしていますが、今回はとくに内部の屋根の構造が感じられる設計をしています。(大変なのですが)
写真を見て頂くと、ハマグリ(別にアサリでも他の貝でも良いのですがなんとなく)のような感じがします。
でもきっと、ハマグリの中は気持ちいいんだろうなって思います。
美しく固い殻で守られ、包まれ、そして必要に応じて口を開け、外部とつながることができる、という意味で、建築の目指すところとも重なるようにも思います。
この数ヶ月でいくつかの住宅などが竣工しますが、どれもそんなイメージかもしれません。
自然の造形の美しさには、ある種の必然性、神の意志のようなものを感じますし、建築もそれを目指すべきだと思いますが、私たちは神ではないので、そう簡単な事ではありませんよね。
でも、心を動かされたり、楽しさを共有したりして頑張れるのが、人間の強いところですねえ。