屋根ができて/四日市の家
- 2019.09.05
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屋根ができて軒先のラインが出て、この住宅のイメージはだいぶ分かるようになりましたが、これが私の設計者としての好みというものだと思います。
言い換えれば「作風」というのか。設計というのはかなりの部分は法規や予算や日々の使用に関わるある種合理的に解決しないといけないことなのですが、その先には設計者として最後にそれらをどうまとめるか?そしてそこに設計者の色が間違いなく出てしまう(出すことができる)部分があり、それを「1%の村野」と村野藤吾は言いましたがそれは設計者にとってのある種「聖域」でもある部分だと思います。
この住宅で具体的に言えば、1階において、ガレージ、アプローチ、玄関、リビングなどを大きな一枚の屋根で覆いながら、45度角度を振ることでそれぞれの領域を分けながら広がりを持たせるような、、そしてその屋根が緊張感を持ってスーっと伸びてゆくような、そんなことをやりたかったですし、ここまでできて、うまくいっていると自分なりに喜んでいます。
言葉を変えると、「まとまり」を持たせるというか、住宅って家族生活の様々な要素が盛り込まれる必要があるので、パッチワークのように、それが外観にも現れて、あれはガレージ、あれは物干し、トイレ、とバラバラっと貼り付けられてしまって、私はそれをとても見苦しく思うし、住む側だって下着姿を見られているようで恥ずかしいからカーテンを閉めて家にこもって(それか家にいない)しまうんじゃないかと思っています。
ここまでもなかなか大変でしたが、まだこれから細かなことがたくさんありますので、引き続き頑張ります。