小さな建築
- 2013.07.06
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嫌いなら読まなきゃいいのにって言われそうですが、東日本大震災をきっかけに「建築をゼロから考え直してみようと思った」とか言われると、一応読んでおかないとな、という事で。
建築や社会が大きい事は良い事だのように行き着いてしまい、それをつくるシステムは縦割りになり、私たちの手の届かない存在になってしまっている現状(それはもちろん正しい認識ですが)を単にサイズが小さいという意味でなく、自ら組立てたり身近なものとして感じられるような「小さな建築」に対する自らの実践を通じて書かれた本。
例えば、レンガというのは扱いやすく、世界中に見られるような良い素材だけど変更が効かないというデメリットがあるので、レゴブロックを大きくしたようなポリタンクを沢山つくりそれを積んで空間をつくったり浴槽にもなったり、中に冷温水を流して空調にしたり、という確かに素晴らしい!アイディアなんですが、上記のような蘊蓄をいくら集めたところで、美しくないし、感動がないし、最高のアイディアを集めただけで、使いたいとはどうも思えないのですが、それはいつも隈建築に感じているところでもあります。
本書でも生命体の喩えを持ち出したり、臓器が単なる単機能ではないと機能主義を否定したりしている割に、良い部分を集めれば生命体を超えられると思ってられるように聞こえてしまいます。もしくは生命体や自然に対して、畏怖の念をお持ちでないのではとも。
何だか最近うちに小動物が増えているのですがw、生命というのはすごいものだなあといつも思います。