孤独と共感/一葉舟
- 2019.01.16
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年末から読んでいたこの2冊、頭の中で繋がった事があり、一緒に書きますが、また良くわからない話になるかとw
この歳になって、西洋科学や西洋的なものの考え方って本当に自己中心的だなあ、と改めて思うのですが、つまり「共感」なんていうのはある集団が集団としてずっと進化をしながら生きてきた結果であれば当然身につけてこなければいけなかった能力に他ならず、仏教の中には当たり前のように前提として組み込まれているとおもう(詳しくないですが)一方、キリスト教的には、それは発見され、教育されねばならないもののように考えられているように、本書を読んで改めて思いました。
以前もこのシリーズで知った「ミラーニューロン」について触れましたが、つまり人間だけでなく他の動物たちも、他者が何らかの動作なりをていると、自分がそれをしているかのように脳が反応するらしいのですが、その能力ってすごいと思う反面、動物が成長するときに、例えば親が食べたり、飛んだりするのを生まれて間もない子供が見ながら、巣立ったらすぐにそれができるようになるために必須の能力であるに過ぎない、とも言えるんだと思うし、だから映画を見て感情移入して涙もしたり、「共感」するのも当然なので、それを脳科学でやっとその仕組みが分かってきた、なんて騒ぐ必要もないのでは、と思ってしまいました。
でも面白かったのは、アメリカでは以前「自尊心」を持たせるような教育に力を入れたらしいけれど、調査によると、結果幸福に生きている人間は自尊心が高い傾向があるけど、それは幸せだからそうなっている面もあるので必ずしも自尊心が高いから幸せとも言えず、また自らの能力以上に自尊心が強い人間は、自分を攻撃されたときに暴力的になりやすいそうで、トランプ氏や安倍氏を見ると、なるほど〜と思いますよねw そしてそれも自尊心教育の結果のように思うのですが。
そしてまた岡潔さんに飛ぶのですが、岡さんは祖父に厳しく「自分を後に、他人を先に」するように教えられ、その言葉に象徴されるようにいわゆる「煩悩」から離れる事で「情緒」に近づく事ができ、彼が成し遂げた数学の偉業などの創造的な事というのも、その情緒から生まれたそうです。それは「自尊心」とは真逆の事なのは理解いただけるかと思います。
そして大学生ぶりに引っ張り出したルイスカーンの建築論の本を読み返したら、当時は難解だった事たちが、全く岡さんが言われていることに自分の中で重なってきまして、自分にとっては重大な発見だ!と心が踊っています、が、これはまだ読み始めなので、また気が向いたら書きます。