外観追加/木造トラスのある家
- 2022.04.19
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昨年末竣工引渡しでしたが植栽が終わっていなかったので、終わって芽吹いた時期に外観を撮り直してきましたのでまとめ直しました。
傾斜のある広い敷地に先代からお住まいだったところを解体し、敷地を二つに分割して北側はご売却され、南にお住まいの計画でしたが、既存の高い擁壁を壊して道路からアクセスしやすいように土をだいぶ出して、最小限の擁壁に止めて造成工事費を抑えつつ、法面は落ち着いた裏庭として活用するようなご提案をさせていただきました。このように土を動かすというのは何かと手間がかかるので大変ですが、だからこそのやりがいもあったりします。
これは東側の外観ですが、左の庭の植栽が終わったら大きな窓を守ってくれるようになり、窓のない2階建のボリュームが寡黙に品よく立ち上がる感じになります。
リビングにはロールスクリーンで仕切れる小上がりがあり、それは仮設的な感じにしておきたかったのもあり、広めのリビングなので、どこかに柱を立てたいところでしたがレイアウトなど考えても立てられるところがなく、住宅では使ったことがないトラスとしてみました。基本的には筋かいや火打など、斜めに入る材というのは、どうも下地っぽく見えてしまうので極力見せないようにいつもは設計するのですが、このくらいおおらかな感じで作れば嫌な感じには見えないようにできたかな、とは思っています。また最近特に、あまり太い梁を使いたくないというか、森林組合の設計をしたこともあって、太い柱梁って、民家の表現としてあったにせよ、その時代には木材を細く四角く製材する機械なんてなかったのでそうなっただけで、他方の書院など上流の建物では手間をかけて製材をして、結果、洗練された木造ができたのだと思っていまして、今の時代は製材に支障はない訳ですから、あえて民家的な表現をする必要が僕には感じられない、というところです。
またもちろんん耐震性については慎重に考えてやっているつもりですが、平家部分であれば、慎重にしっかり設計すればですが、このくらい開放的な感じで作ることもできますし、耐震等級やらの形式にこだわり過ぎて息苦しい空間を作るのもどうかと思っています。
玄関ですが、2階建部分と平家部分に跨った位置にあり、軒を低くしているので天井が必然的にこんな形となり、でも玄関は低く、低く、という美意識がありますので楽しんでこんな形のデザインをしてみました。
内観は年末に撮ったままですので植栽が入っていないため、やはり深みがないですね。。やっぱり人間には、というより動物には植物が必要(男と女のように?)なのだと思います。
ダイニングセットなどはお施主さん手配だったので、いつもの杉と桧の椅子など置いて賑やかにしています。
最後に遠景ですが最初に書いたように、ずっとお住まいだった大きな敷地の建物や擁壁を解体して土も削ったりして二つの区画に分けるところからの仕事でしたし、高い擁壁をドンドンっと作れば設計も容易だったんでしょうけど恐ろしい工事費がかかるためこのように法面を作って造成工事を最小限にしました。北の土地にどんな風な建物が建つのか?こちらも高低差のある敷地なので設計が難しいと思いますし依頼された方はぜひ頑張って頂きたいです^-^