住宅や建築も、コスパではない。
- 2025.05.10
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最近YouTubeなどでよくお見かけしますが読んでみました。
不動産に関して事実をしっかり発信してる方です。
「昨今の地価上昇は、住宅をはじめとした実需によるものではなく、投資マネーや節税のためのツールとしていわば人為的に作られたものであることは明白」だし地価が上がっているところは一部で下がっているところもあるのに上がっているところばかり情報を出すので、上がっていると思わされている面もあると思う。
固定資産税は市町村にとっては巨大な財源なのだから地価が下がると困る、という構造があることがそもそも問題で、人口、世帯が急激に減る時代に地価なんてもっと下がるべきなのだと思っている。
それに空き家問題はかなり深刻だ。おじいちゃんは山の方に、お父さんは新興住宅地に家を建てて、その子供はどちらも不便で戻るつもりもない、そりゃ家は余ってくるし、その相続問題もかなり深刻なようだ。
建築の業界いるからより分かるけど、やっぱり安易に新築を作りすぎてきたツケでもある。「安易」というのは本書にもあるけど、デベロッパーって、「売る」ことしか考えていなくて、それを使い、住む人が本当に何を望んでいるか?なんて興味もなくて、だから金太郎飴のようにオフィスやマンション(アパートだよ)が量産されてきて、新しい時は売れて、借りられるけど古くなると魅力がなくなってそれが「空き家」にかなりなってきている。家だけじゃなくてオフィスもヤバい。
建設費が上がっているのは、僕は半分便乗値上げだと思っていて、投機目的で、円安だから外国から沢山入ってくるマネーによって上がっている状況に便乗して、高く売りたいために資材の高騰や人手不足が誇張されていると思う。つまりゼネコンや大手HMなどが儲けすぎだと。木造住宅で坪150万??あり得ないと思う。
タワマンや巨大なビルについては、確かに職人不足の影響を受けやすいだろうし、技能がどんどん落ちている中で複雑で専門的な仕事を求められるのだから、ミスをしてニュースになることも多いからそのリスクヘッジもしなきゃいけないから儲けとかなきゃいけなくなるんだろな。。
マンションについて本書で強調されているのは、相続放棄されたり、外人が持っていたり、建て替えても事業益が出ないようになれば、建て替えなんて出来なくなって、スラム化する者が沢山出てくるだろうということ。著者も、資産性が高くて数年で売るつもりなら良いけど、そうでないなら基本おすすめはしていないようだし、僕もそう思う。
そして家って「コスパ」じゃない部分こそ魅力であり、持ち家の意味であるのに、世の中で語られている、持ち家vs賃貸、なんて所詮コスパ比較でしかないし、建設側もそのレベルの提案(断熱性や耐震性を数字でアピールするだけ)しか出来ないのだから、建てる側も訳わかんないのはどうしようもないのかなあ。。
だからこそ、「専業設計事務所」は建設側から独立して、建主ファーストで本当の住宅や建築の価値を考え、提案することができる(人もいる、か)から、やっぱりこういう社会の大きな問題もにもきちんと向き合って考え続けてゆかなければならない、と思いました。