上棟!

  • 2008.05.09
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今日上棟式でした。
単純な箱形の木造ではないので、プレカットではなく手加工だったこともあり、また規模も結構大きいので、今日は屋根構造まではやらない状態で上棟しました。
屋根がひとつの見せ場でもあるんですが、12角形の平面や、概ねのボリュームも感じる事ができました。
建築には、外観としての存在と、内部空間とあるわけですが、この周囲に豊かな小高い緑も残る地域の角地と敷地で、その緑に呼応するようなある個性をもっています。
真四角な平面の建物が単調に並ぶ、というのは、その地域の宅地の区画が、四角く整然と割られていて、周囲にも四角い区画が広がっているような単調な前提に応答したものです。
一方で、今回のように、近くに自然のカタチが存在するのであれば、単純な四角い構成ではなく、何らかのキャラクターを持つあり方が相応しいように思いました。
理屈ではうまく表現はできませんが、私たち建築の世界では「ゲニウス・ロキ=地霊」という考え方があります。ある土地には、その土地だけに宿る霊のようなキャラクターがあり、古来から人類はそれを感じ、それに応える形で建築をつくってきました。一方で今は上記のように無機質な区画割りやレディメードの建物を土地の個性と無関係に置いてしまうだけだったりしています。ですが、やはりその「地」が秘める様々な力や声を読み取り、それに相応しい建築をつくらなければいけないですし、本当に長く残る建築はそうでなければいけないのだと思います。
また、内部空間としても、何も四角い空間である必要はなく、曲がっていたり、丸く囲まれていたり、無闇にそうする必要はないにせよ、間違いなく四角いだけでは持つ事ができない空間になることができます。
建築って面白いなあって思います。
その土地と、その人と、呼応する力を持っています。