バベットの晩餐会

  • 2014.12.19
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派手でなくでもとても中身のある映画ってDVDでご飯食べながら観てると、ちょっと退屈したりして余り記憶に残らず、またジャケットをみて借りてしまうという事が今までも何度かあって、2回目に見入ってしまったりしましたが、今回もそうでした。

クリスチャンの素朴な村で、とてもストイックに生き、思った事も正直に言わない、言えないような生活だったのに、事情があってフランスから逃げて家政婦として働いていたバベット、一流のフレンチシェフだった、が作った料理によって心が開かれる、というストーリーです。
ちょっと考えさせられたのは、そんなストイックさって、僕も大事だと思って自分に課している所もあるけれど、果たしてそれが人間として生まれてきた身として良い生き方なのか?ということ。
最高の料理を眼の前にしながら、料理の事なんて考えても、その事について言葉にしてもダメよ、みたいな事を言いあう村民たちなんだけど、まあそれをストイックと言うべきなのかどうか?もあるけど、そんな意味でのストイックさ、つまり、滝に打たれて、絶食修行をしなければ境地に達する事はできない、というのは昔の悪しき思いこみなんだとも思います。ストイックなのは手段であって、本当の目的は、自分の内面深くに触れる事ができるようになることによって、周囲にも自分にも優しくなる事ができる、という事なんじゃないかと思いますし、それは苦行を通じなくても達する事ができるという事は明らかになってきていると思います。実際僧侶さんも正直な方はそう言っていますし。
素晴らしい料理が、そんな事に気付かせてくれた、という話なんだと思いましたし、それは料理に限らず、音楽、芸術、文学、建築など、本来それらが生まれ、どこの国でも大切にされて来た理由は、それらを通じて心の内面深くに触れる事ができ、それこそが人間が人間であるために必要なことだからじゃないかと思います。
そういえば、デンマーク映画らしいです。
うちのスウェーデン車は最近ガタが来始めて、まだまだ乗りたいのに悩みの種です。