デザインとオリジナリティ
- 2015.08.18
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東京五輪のエンブレム問題で変に盛り上がっているわけですが、なんか上辺ですね。
そもそもオリジナルであるのか模倣にすぎないのか?って何なんだろうか?となるとオリジナルの定義をしなければならないのだけど、英語の意味の通りで、枝分かれした先ではなく、根本であるという事でしょう。またその後反復や模倣やアレンジをされるだけの価値と強さを持ったものだと言えるでしょう。例えば十字架とか。
そしてそんな意味で本当にオリジナルだ、と言える強さを持ったものがあるのか?と言えば滅多にないし、表面的な新しさを「オリジナル」だとかそれをつくる人を「デザイナー」だとか呼んでいる軽薄な世の中なんだからまあどーでも良いと思ってしまうけど、デザイナーはそれで飯を食っているんだから、やっぱりそこは重要なんだろうけど、本当の意味で(強度を持っているか?)オリジナルと呼べる次元かどうかは一歩引いて考えないといけないと思う。それに今回だってそのデザインを選んだ人たちがその強度を感じられる人たちだったのか?と言えば恐らくNoじゃないかと思う。
正直、僕ら建築の世界も常に先達がつくったものを参照しながら、時に真似てみたりもするけれど建築の世界はそこにはおおらかというか、真似されてナンボなところがあります。ただ、真似る時の礼儀として、本歌取りじゃないけど、元のものより世界を広げたものをつくる努力をしなければならないし、元の設計をした方がもし見たとしても、うまくやったなあー、と思わせなければいけないのだと思います。そのためには表面的な模倣であってはならず、自分の中で良く咀嚼をして、全体としては自分全身全霊をかけたものとして生み出して初めて、次の「オリジナル」となりうると思うんだけど、今回の件を見てれば分かるけど、全くその次元じゃないですよね。
と、偉そう言いました。