ふじのくに木使い推進会議

  • 2023.03.17
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先日、私の木造建築設計に対する考えなど少しお話しさせていただきました。
基調講演の長野さんのお話は日本全体がどのように木材に向き合っているかを分かりやすくまとめつつ、森がお好きだとのことで、実感を込めてお話しされてました。
私の方は、15分の持ち時間で内容を盛り込みすぎて焦ってしまったなあ、、という反省ですが、良い経験をさせて頂きました。いつも思っている、杉桧は刻まれて集成材に接着されるのではなく、ムクの製材で、その美しさを生かして使うことで、中間加工費でなく、丸太の価値を高めて森にお金をできるだけ多く戻すことが、健全な森林につながる、ということ。また、静岡のように温暖で土地もゆったりしている場所では、木造の美しさを生かした、軽やかで開放的な設計としつつ、できるだけ構造の木材も見せるべきだ、ということもお伝えしました。
意見交換会で長野さんに木材の補助金を、量(立米数)に対して出すから、良材を取ろうという意識より、刻んでも大量に出すような、森林を守れなくなるような方向になっているのでは?と問わせて頂いたところ、日本全体ではすでに良材とか言ってられない(手入れもされていない森林が多いので)状況もあるが、静岡の状況は良いので、是非取り組んでほしい、と言って頂きました。ただそれは簡単ではないのですが、、これからも訴えて行きたいと思います。
木造は構造を見せてこその木造。そして野太かったり構造形式のクセが強いデザインでなく、和食のようにあっさりと素材の良さを引き立てることで、毎日食べて(見ても)飽きないし、その素材の本当の良さがじわじわと感じられる(軽み)ことを目指す。だから太くて良い丸太が必要となり、山にお金が戻り、今後の植林や手入れをしようというインセンティブにもなる。という循環。
あと調子に乗って以前作った<松菱跡地への提案>も紹介し、規模を小さく、低層化することで、中心市街地でも木造で、防災設備など不要で作ることができ、コストを下げレンタブル比を高めることで、賃料をとても下げられるし、地上部分の賑わいが生まれるので、これからの時代、こういう考え方が大切では、と一応訴えてきました。
まだまだ学ぶべきことだらけですが、こうやって人前で考えを伝えてゆけるように、もっと努力してゆかなければな、と改めて思いました。