植物はなぜ動かないのか

  • 2024.05.31
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読みやすく(普段のが読みにくいだけ?)興味深い本でした。
逆に言えば「動物はなぜ動くのか?」との比較でもあり、進化における動物も含めた流れなども触れてあり、動物としての人間についても考えさせてくれる。

ざっと言えば、植物は最初から「葉緑体」を細胞内に持っていたわけでなく、食べたのか?体内に取り込んでそれが、私たちが腸内に無数の細菌を持っているのと同様に「共生」を始め、日光を浴びれば栄養が合成されていしまうから、動く必要がなくなった。ということ。そしてそれまでは「酸素」なんてほとんど?なかったのだけどその植物が大繁殖して二酸化炭素を酸素に変えた。酸素は鉄など錆びさせるように本来は「有害」でもあるけど、とても効率よくエネルギーを生み出すことができ、それによって初めて「動物」が生まれ繁殖した。と。葉緑体なんてものが生まれず、もしくは植物がそれを取り込んで大繁殖さえしなければ、動物がこんな大きな存在になることもなかったということ。

巨大な恐竜は、その頃の酸素濃度が今よりずっと高かったことや、植物もとても背が高く、その葉っぱを食べるためにも首がすごく伸びた。
その背の高い植物とは「裸子植物」杉やメタセコイヤのように何百年成長を続けるものそれに対して「被子植物(種を作り動物を介してより広まる)」が現れ、どんどん進化して裸子植物を席巻してゆく中で、それらを食べられない恐竜がかなり減っていた。隕石で絶滅したというのも事実らしいけどその前にはかなり減っていたようだ。

僕の仕事に関わるので少し脱線するけど、広葉樹のような被子植物は「導管」を持ち水を自由に根から葉まで伝えやすいのもありより繁栄したけど、凍ってしまうと水が伝えられないので寒冷地には存在できない。他方の杉のような裸子植物は「導管」を持たず細胞と細胞の間で少しずつ水を伝達するしかないので効率は悪いけど極寒地にも存在できる。
導管がある「オーク」などは導管のため少しザラザラし、水が染みるからか赤ワインなど染みると取れにくい。そして外部では腐りやすい。他方の杉などは導管ガないので緻密で繊細な肌触りと、水が染みにくいので水拭きすれば落ちやすいし、外部でも耐久性がある(白太はダメですよ)
そして二酸化炭素を排出することが問題視され、結果ソーラーパネルや電気自動車が無理やり増えているけど、植物さえ増やせば解決する問題であり、同じお金かけるならその方が環境にずっと優しいはずなのだが。。

本書が良いところはそういう専門的なことも分かりやすいところだけでなく、サブタイトルの「強くて弱い」に象徴されるように、動物が動き回ったり、人間が植物を思いのままに?増やしたり食ったりしているから「強い」訳では決してなく、植物の方がずっと長く繁栄を続け、もし?核戦争などで人類やほとんどの動物が滅びようとも、植物は一定種残り、また新たな進化を始めるのだろう。と思うと強いも弱いもない。という視点で描かれているところだ。

そしてそういう大きな視点で地球の歴史を眺めれば、毎日自動車なんてものに乗って、何かに追われたように生きている人間の営みが、アホらしいものに見えてくる。
でもこんな風に地球の歴史を振り返り、未来を描くことができるのは人間だけなのだから、それが出来てこそ人間に生まれた価値があるのだと思う。