人類の起源 篠田謙一

  • 2025.06.20
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興味のある方にはきっと面白いけど興味がない方には。。。。
ちょうどニュースで「デニソワ人」の頭の骨が見つかったらしく、今までは小さな断片しか見つかってなくて、正体が掴めないのに、ホモサピエンス(僕ら)のDNAには実は少し混ざっているという。それを言うと、ネアンデルタール人くらいは聞いたことある?と思うけどそれとも実は交配をして僕らに数%混ざっているそうだ。
ところで「種」とは交配して出来た子どもがまた繁殖可能である事、なので、ホモサピエンスもデニソワ人もネアンデルタール人も同じ「種」と言えるけど、なんでそんなことが分かってきたかというと彼らの骨からDNA解析する技術が恐ろしく進んで(次世代シークエンサ)その骨の年代と何と何が交配したか?などが分かるようになってきたから。それでもまだ分からないことは沢山あるようだけど僕らの祖先のホモサピエンスがアフリカで生まれ、世界中に広がりつつ、ネアンデルタール人やホモサピエンスの中でも地域によって分岐してきたものがどう交配して、また滅んでいったのか?など結構見えてきたそうだ。一番最後に辿り着いたのが南アメリカで、北回りで北アメリカから下って行ったのが基本なようだけど、東南アジア〜ハワイ〜の方のルートからの接点もあった、など、いろんなドラマ?があって興味が尽きない。
そして我らが日本に関しては、従来は先に入ってきたのが縄文人となり、その後稲作文化を持つ弥生人が入ってきて、縄文人が追いやられて沖縄と北海道には縄文人のDNAが多く残る、と言うのは雑に言えばそうだけど実際そんな単純ではないことも書かれている。
ちょっと興味深かったのは、多くの地域で、最初に狩猟採集民がいて、その後農耕民が入ってきて追い出されて、でもその後に馬や車輪を持った遊牧民が入ってきて支配する、みたいな。中国もそうだっけ。
そして乳製品を消化できない方は今でもいらっしゃるとしても、遊牧民しか必要なかった能力だと思うけど、今はほとんどの我々がその能力を持つ、と言うのも面白い。

話は戻るけど、僕ら現人類に近い種族は沢山生まれては消えて行ったらしいけど、結構ホモサピエンスに滅ぼされた面もあるらしい。なぜか?少し前もそんなネタ書いた気がするけど、ダンバー数っていうのがあって、ある集団の中で何人まで認識できるか?
チンパンジーは50くらい、原人は100くらいに対し、ホモサピエンスは150くらいらしい。つまりより大きな群れを作ることができたことが生き残れた大きな要因だと思う。話は飛ぶけど、でも150が限界なのにビジネスの世界ではそうはいかないから、きっと大企業とかはストレスも溜まるんだよw

最後に著者が主張するのは、僕ら人類はさまざまに見えても「遺伝的にはほとんど同一と言っていいほど均一な集団である」「すべての文化は同じ起源から生まれたのであり、文明の姿の違いは、環境の違いや歴史的な経緯、そして人々の選択の結果である」
『そうした基本的認識なしに多様な社会を正しく理解することはできない」。
日本人は世界の中で〇〇だ。みたいな記事やら情報はよく聞くけど、見た目は違うように見えるだけでほとんど変わらないはずの僕らがそれだけ違った振る舞いをする理由は何か?単にランキングして僕らはダメだ、とか優っている、なんて考え方をすることを一番諌めなければならない、ということだと思う。