1Q84

  • 2012.06.25
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今さらながらですが。。読み始めたら速いもので3冊(文庫になりましたがハードカバーの古書で)読んでしまいました。というか、村上さんの本は小説の中では読みにくい方じゃないかと思うけど普段睡眠薬になりそうな本ばかり読んでいるから、現代の小説はほとんど読みませんが、読みやすかったなあ。。
そう言えば、中学の終わり(高校に入ってから?)薦められて「世界の終わりと、、」を読んで、何だかとても印象的だったんだけど、それ以降村上さんの本を読んだのは実はつい最近。やっとこういうのを読んでいる余裕というか心境になってきたと思う反面、そんな事言わずに若いうちにいくらでも読めただろ??というのもあります。
文学論も、村上論もできませんしするつもりはないですが、でも小説や本ってみんなそうだと思いますが、自分という人格や世界というのは基本的にひとつ(パラレルに他の人格や世界を生きられないという意味で)なので、ついついその世界だけを真実だと思い込んでしまうものですが、違う人額や世界というものを、その本を通して体験でき、否が応でも何かを感じさせられ、そして自分を少し客観視できるようになるというのが最大の価値だと思います。そして今の自分の世界と遠ければ遠い世界を見せられほど、その書は価値があるんじゃないかと思います。
例えば、、、未開の部族の方と、同時通訳機で話せたら、、今では情報は氾濫していますが、それでもまったく未知の(まあ宇宙人でもいいや)世界をそのまま感じられたら、レヴィ=ストロースの世界みたいに、それはとても価値のある事ですし、読書もそんな価値があるんじゃないかと思います。
だからこそ、自分の世界と出来るだけ遠くの、それも断片的なものではなく、一つの「世界」をもったものであればあるほどベターかなと。
村上さんの本を読むとそんな事を思います。
実はすぐ近くに、自分の世界と瓜二つに見えて、全く違う世界が存在しているかもしれない。
そして自分が知っているのが1984。そして似ているように見える1Q84。
まあ多義的な小説です。