設計のご相談について

  • 2018.04.27
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私の、住宅設計に対する考え方を、たまにはこうやってまとめて書いておこうかな、と思いまして。

<敷地選び>多くの方が、敷地を決められてからご相談に来られますが、私は設計をさせていただく中で多くの敷地を見てきましたし、敷地を見れば、どんな住宅が建てられ、どんな良さや良くないところがあるかのイメージができます。設計を依頼する前に土地の相談をしにくいかとは思いますが、私としても土地選びから関わった方が良いものができると思ってますし、ただ、かといって設計も必ず依頼ください、ということはありませんので、土地選びの段階から気楽にご相談いただきたいと思います。

<耐震性、省エネ>もちろん大切ですし、私の設計でも、そのレベルをかなり高めることは可能なんですが、結果、気持ちよく、愛おしいと思える家ができないなら、そんな家は作らない方が良いんだと思いますので、ご相談しながらバランスよく設計をさせていただければ良いと思っています。また世の中で言うその等級は、ある基準に基づいた、計算上の話であって、それが本当に有効かどうかは疑問なところも多い、と私は思っています。

<ご予算>依頼しても予算がオーバーしてしまうんでなはいかとのご不安ですが、もちろん設計料はそれなりにかかりますが、総額で言えば、大手のハウスメーカーに頼まれるくらいならそのくらいの金額で、もっと質の高いものを作る自信はあります。設計事務所というのは、設計の能力だけで生きている本当の設計のプロですし、工務店からも中立というか、施主側の立場に立って、金額が少しでも下がるように、またきちんと工事をするように最善を尽くしますので、結果としては決して高くはないという自負があります。

<目指す設計>逆に遠ざかろうとしているものは「軽薄」なものでして、良い素材をきちんとデザインして、突飛なアイディアに頼らず、年月の風雨の中で静かに強く存在し続けてくれるような、例えればお寺や神社のようなエッセンスが必要だと思っていますし、だから自分で言うのもなんですが「立派」には見えるかもしれませんし、それで高いと思われやすいのかもしれませんが、30年後には、きっと依頼してよかった、と思っていただけるようなものを作るのが設計者の使命と信じています。

事務所を作って18年になり、80くらいの設計をさせていただいてきましたが、住まいを作る、と言うのは大変楽しく、晴れがましいことですから、打ち合わせも楽しく前向きな気持ちになっていただけるように心がけているつもりですし、最近では年下の施主さんも随分増えてきまして、ワイワイと打合せをしていますが、「建築家」「先生」と呼ばれて、なんか上から見て、言うことを聞いてくれないようなイメージが今だにあるのかもしれませんが、全くそんなことはないんですがねw

つまり「敷居が高い」といろんな面で思われてしまいやすいのは分かるんですが、決してそうではないですよ。せっかくとても大きな金額をかけて作られるんだから、毎日が気持ちよく、また何十年住めば、大きな愛着が残るような、そんなものを作っていただきたいし、そう思われるなら、きっとお役に立てる、と、そんな気持ちです。