能から紐解く日本史

  • 2022.06.27
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正直、能は興味はあっても見た事はなく、でも単なる芸能ではなく重い歴史を背負っているんだろうなって思っていたけど、思った以上でした。
帯にもありますが小鼓方の人間国宝という著者、渡来人の「秦氏」で、大陸からさまざまな技術などを持ち込んだために、権力者とも近づきながら繁栄をしてきて、そんな歴史の中で能楽は秦氏によって続けられてきたそう。
そして、古事記などもそのようだけど、歴史を反映しつつもその時々の権力者の都合の良いようにアレンジもされてきているから脚色されているにしても、強い歴史のメッセージが読み取ることができる、とざっくりそんな本。
大阪の勤め時代に、先生の言いつけだと思うけど先輩たちが仕事が終わるとバタバタ「謡ーうたい」の稽古に行っていて、僕の一つ上の世代からはそれを求められなかったので僕は行かなかったから何も知らないけど、強く記憶に残ったりして。
能楽のセリフにあたる?からしっかり物語になっていて、江戸時代に日本の識字率が高かったという事実は知っていたけど、武家がまず謡を始め、庶民にも流行ったためだった、とか、参勤交代で地方から来た武家たちは、本来は強い方言でそのままでは会話にならないので謡や狂言のセリフを使うことによって会話したから「ござる」「にてそうろう」などという口調になった、というのも面白い話だなと。

今までは高いお金払って能舞台に行っても退屈しちゃうんだろな、と思っていたけど、本書を読んで、少し楽しめそうな気がしてきたし、日本人なのに、能のこと知らなすぎたなって思うけど、でも先日の茶室と同じで、その世界にいる本職の方が、この著者のように大切な部分を分かりやすく伝えようとしてこなかった事を残念に思うから、ご興味あればぜひ読んでみることをお勧めします。