竿縁の平家

  • 2023.07.16
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少し前模型写真あげていた住宅、昨日無事上棟しました。

前も書いたように、以前の水平垂木を細く副構造材的に扱い、竿縁の他に呼びようがないので使ってますが、このように上棟早々組んでゆかないといけないところや軒先まで伸びていることも含め、根本的にいわゆる竿縁とは違っています。
結果二日程の上棟作業(太い構造材を使わない平家なのでレッカーも使わない)で結構出来上がりに近い雰囲気になってきています。施主さんが思ったより大きい!と言われ、僕もそう感じるのはその辺りも理由かもしれません。
建築には「構造」と「仕上」という大きな区分がありますが、仕上というのは後で自由が効く、という面がある反面「ハリボテ」的な否定的な面もあり、打放しはそれが一体化してなんか緊張感があるように、木造でもそのような緊張感を作りたいし、ハリボテは時の試練に耐えられないし、見た目の重みもないので、という感性でこのようなちょっと変わったものを作っています。
またこのやり方だと屋根面の構造的な補強もしやすいため、この物件では屋根の合板をやめて杉板にしています。私の建物もそうしたの以降は、やはり屋根面の強度を確保するのに合板が一番確実なので今まで他ではやれてこなかったのですが、昨今の合板などの値上がりや長期的な耐久性を考えて、です。ところで今日、◯林さんの住宅が上棟しているのを通りかかりましたが、屋根が合板のまま防水ルーフィングもされてないままでした。(上記の写真では見えませんが既にされてます)
無垢材は多少濡れても平気だと思ってますが、合板や集成材は接着剤的には大丈夫という回答があるにせよ、濡らすべきではないと思います。大手の高価格のものでもこういうものなんですね〜〜。
仏像はもともと石仏で、日本に入ってから木で作られるようになった理由は、日本人(だけ)は木という素材の中に仏性というのか精神性を感じるから、と読んだことがあり、僕は木造住宅を作るなら、そのように扱いたい、と思っています。
また進捗報告いたします。