竣工写真

  • 2017.09.25
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土曜日にオープンハウスで、新しいお客さんも多く、いつもよりさらにバタバタして、あまりお話しできなかった方には失礼いたしました。

自分なりに新しい試みをさせて頂き、なかなか良い形で実現できたかとは思いますが、この屋根の形ですね。

もともと屋根とは「根」という字がつく理由が、竪穴式住居のように地面から立ちあがるようなものが最初にあったから(まあ語源に確実なものはないでしょうけど)ではないかと考えれば、外壁部分ができるだけ高く立ち上がらない方が屋根の本質に近い、と言えるとも思うので、必要のないところはできるだけ軒を低く抑えたいのですが今回は寝室、子ども室は2階にする方向で、やはり南の日当たりの良い方向に健全に配置したいので、などなど考えながら屋根の形を考え、東西北、の3面は軒を水平に低く下げました。が、どうしても階段だけプランが収まらなかったところ、エイヤーッとドーマー状に出したら道路側からの程よい特徴にもなり、階段室も面白い感じになり、という感じでこうなりました。

玄関前は大きな土間となってますが、それも大屋根に取り込んでしまうことで、屋根に守られた感もより強くなっているかと思います。

一方南面は、2階に窓を設けるために切妻になっていて窓など要素も多く、こちらに生活のほとんどが接するようになっているので、印象が全く違いますね。

少し勾配のきつい屋根の裏はこんな風に1階と2階が繋がるようになっていますが、屋根の外形はシンプルですが、実は構造的にはなかなか複雑で、設計も施工も少し大変でしたが、シンプルに見せる、というのはエントロピー(乱雑さ)増大の法則に照らせば、やはりエネルギーの必要なことなんですよね。

手前がリビングスペースで、テレビとソファーが置かれる場所で、東にも開けているので大きめの窓がついています。

夕方はになるとこんな感じ。まあいつもの僕の感じでワンパターンだなーと言われればその通りですが、屋根の形状によって、それなりに内部の雰囲気も違うものです。

玄関の上に跳ね出しているボックスは収納スペースですが、これがないと高くなりぎて間が抜けそうだったのと、構造的にも意味のある部分です。柱一本で持たせて、アクロバティックにも見えるかもしれませんが北側の方杖もあり、構造模型で力の流れも検討しながら慎重にやっているつもりです。

2階の階段のドーマー部分と、リビングから吹き抜けたところに机を作ってありますが、この辺りはなかなか形が複雑で悩ましかった^^;

さて、夜になると道路からこんな風に見えます。可愛いと言えばそうなのかもしれませんが、僕は建築に限らず、長く使わないといけないもののデザインに「キャラ」が立ってはいけないと思っていて、そういう意味ではキャラは立てていないつもりではありますが、別の表現をすると「ハリボテ」にしないようにしている、という意味でもあり、その辺りが浜松でも木造を上手に作られるところもたくさんある中で、僕のちょっと違うところなのかもしれませんw
最後に、うちの仕事は高いと思われているようですが、似たような木造を作られているところより、決して高くは無いようですよwだって宣伝広告費なんて全くかけないし、この写真は僕が撮り編集しアップしてたり、小さな事務所ですから経費もあまりかからないし、設計料単体で見れば大きな金額ですが、同じ質の仕事をしようと思えば誰がやっても同じくらいのエネルギーはかかりますから、それに施工者さんにも毎回競争していただいて工事費も協力してもらっているので、彼らwより高い訳がない、と思っています。まあみなさんそれぞれのスタンスと価値観でやられているんでしょうけど、お客さんたちにはどう違うのか、実際高いのか安いのか分かりにくいですから、競合してるみなさんと、一度公開討論会?でもやったらお面白いんじゃ無いかな〜と思いますが、乗りませんかねえ〜w