森林組合連合会天竜事業所とりあえず完成!

  • 2022.03.28
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静岡県森林組合連合会天竜事業所。2年越しの仕事になりましたがやっと完成。これから家具が入ったり正式に撮影したりしますがとりあえず。
プロポーザルで要求された事と、その時木造でやってみたかった事などが合致して沢山の想いを込めて設計をして、たくさんの事が言いたいですが、また写真家さんにきちんと撮ってもらってからまとめようと思います。
ただ、大きな考え方としては、木造って鉄骨が持つ大胆で力強い開放感と違う、繊細で軽やかな開放感が実現でき、またそれが一つの大きな美意識としてあったのではないか?つまり現状の、箱に穴を開けた、組積造かよ?っていう家とか、無駄に力強い木構造に対して大きな違和感を持ってきた反発でもあります。

最初のが事務室、こちらが入札室。どちらも10m角の無柱空間を、隠れているトラスと見えている3寸角が下弦となる三角トラスを直行させることで構造壁のコアまで力を伝え、それによって桁方向の前面窓を実現しています。
またウッドショックもあり良材の確保が難しい中で、事務室の3寸角は何とか芯去りの綺麗なものを揃えてもらい、一方の入札室は心持で節も許容しています。床も赤で揃えたかったのですがそこまでは出来ず、、でも壁の桧もとても綺麗で、他は前面窓なので、水平方向の視線が優しく抜けて気持ち良いです。
建築の設計って、論理的に聞こえる説明を付けようが、結局設計者の美意識というか「好み」の追求でしかないと思っていますし、上記のような、既存の木造と違うものを作ったつもりですから、皆さんが見てどう感じられるか、正直不安なところもありますし、強い木造がお好きな方には物足りないと感じられるとは思います。

右の事務室棟と左の入札棟の間が外部で抜けているので、構造的な力を伝えるのに随分検討が必要でしたが、丸太を売る場所としての利用方法に対して、使いやすいプランになっていると思います。
そしてここにあるのが手洗い足洗い。悩んで結局人研ぎの(小学校の体育館の外にあった?ような)色を黒く渋くして作ってみました。

近々立派な竣工式も行っていただく予定で、また色々な形でお披露目や見学会などもされると思いますのでご案内させて頂きます。