東北へ。2

  • 2013.05.08
  • BLOG

翌朝はまず中尊寺金色堂へ。

まあ連休だし世界遺産だし混雑は想定していましたが、見ておかなければ、というところで。
この中の金色堂自体はそれほど、、でしたがその中の仏像たちはさすが素晴らしいもので迫って来る何かを感じました。金色堂も内部のライトアップがない(もちろん昔はないので)状態で見れば、きっとつくった意図が感じられるんだと思いますが。。まあ観光地ですね^^;
途中で盛岡寄って少し観光をして、宿泊地の十和田湖の十和田ホテルまで。

まずは標高く登ってゆくまで沢山の滝があるようなところで運転は大変でしたが今まで湖としては見た事がないような、湖畔が切立っていて人が近づけないのでほとんど見渡す限り自然のままでした。また昭和13年に出来たらしくこの本館は木造3階なのですが改修はしているそうですがとても状態がよく、宮大工と巨木を集めてつくったからでしょう。部屋の中の柱は全て杉の芯去で(うちの材より良いw)、やっぱりなあと感心しました。芯持材しか知らない木造の設計者は一度行ってみて下さいw
最終日の朝は、十和田市現代美術館(西沢立衛設計)へ。

市長がアートのまちにする!と英断でつくったものだったと思いますが、まあ良い結果のように感じました。金沢程まちも大きくないので比較はできませんが周囲への良い波及もしているようでしたし。もちろん西沢さんなのでさすがに良い建築ですが、展示室をバラまいた隙間の外部空間が、雑誌に載った時も感じましたが何となく中途半端で生きていないと感じたのが残念でした。
次に弘前へ。

青森は今が桜の見頃で弘前城は桜祭りでとても賑わっていました。小さいけれど木造の名城なのと広くて場所も良くて入りやすいのでとても生きた場所だと思いました。浜松城はコンクリートだし、高低差があって見通しも悪く近づきにくいし、比較すると残念だなあとつくづく思いました。また隣接して前川國男設計の市庁舎などがいくつもあり、改修中も含め築50年程のものがきちんと使われていたのもとても印象的でした。
その後前川さんの代表作のひとつとも言われる弘前市斎場へゆきましたが、見学が出来ない時間で少し中をのぞくしか出来ず残念でしたが、土門拳記念館と同じ質を感じました。つまり自然の中でそれに勝つでも負けるでも紛れるでも目立つでもなく、建築としての強さをきちんともっていながら、というか持っているからこそ自然にそこに存在している感じ、というような。
そして、もちろん?青森県立美術館(青木淳設計)へ。

ここの本質はたぶん内部にあるので、といっても展示室はあまり撮れないので、これで。僕なりの解釈では、つまり地上に白い箱の展示室をただ並べるという美術館が逃れられなかった方法論を、隣にある三大丸山遺跡の溝状の遺構(トレンチ)をモチーフに、そのトレンチが展示用に転用されている、という風にしたかったのではないかと思うのですが、それはうまく実現できていたと思いますし、その結果、いわゆる展示室だったら間延びしてしまいそうな巨大な空間がとても引き締まって見えました。
と、一般の方にはどうでも良いような事ですが、設計側にとってはとても大切な事を実現されたんだと思います。
ついでに遺跡と、棟方志功記念館に寄ってきましたが、やはり東北という地は表には見えないけど秘めた情念のようなものを持っているように感じましたし、「日本の深層」にあったようにそれは縄文文化に由来するように感じました。そしてやはり同じ日本でも本当に風景も人々の営みも違うなあと感じ、道州制じゃないけど、やっぱり地域ごとに特色を反映しながら政治もしなければいけないんじゃないかとも感じました。
1200キロレンタカーで走り回り、青森から新幹線で帰途に。まあ無理な計画でしたが、概ね達成もでき大きな満足感(と疲労)を持ち帰りましたw
またこの場を借りて、こんな訳の分からない旅行に文句ひとつなく同行してくれた相方に感謝です。