暮しのファシズム

  • 2023.08.03
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怖い表紙の写真。でもこれが日常の生活に気づかないうちに入り込む、という怖い話。
この写真は1936年の時事新報「厳戒令下の防空演習」で、本土に対しガス兵器が使われた時のための訓練のようだけど、実際は日本の木造住宅に対して焼夷弾が使われたので、無駄な訓練だったと言える。本書に書いてはないけど、恐らく上層部はそれも承知で、ガス兵器の恐ろしさを説き、このような訓練をさせ、その画像を拡散させてさらに鬼畜米英を煽ったのだろう。大戦中は物資を節約し、国民の戦意を高める必要があったから、このようなプロパガンダを戦略的かつ効果的に行う必要があったのは理解できる。そして本書とは関係ないけど、だからこそ欧米も日本の本土決戦などしたら戦争が長引き、自らの兵士も多くの犠牲を強いられることが予想できたからこそ、原爆を落とし降伏させたのだろうし、結果本土はそれ以上破壊されなかった、とも言えるのかもしれない。
と書いてしまうと、必要なプロセスであったように読めてしまうけど、それ以前に勝ち目のない戦争を始めるべきでないのに始めて、このように無駄に国民を巻き込んだ、というのが本当のところかな。
タイトルも表紙もおどろおどろしいけど、婦人雑誌や太宰治など文学、新聞のマンガ、などの国民の日常の中に、少しずつ戦争を肯定し、みんなで協力しなければならない、という雰囲気を生み出し、定着させてきたというプロセスが詳細に描かれていて、そこだけ読んでも興味深い内容だった。
そして、今は時代は変わった??かもだけど、「生活」というのは「女性」が担うもので家庭や町内の近所付き合いを通して行われるものだから、漫画もそれを描くものとなり、サザエさん的なものが生まれ戦後にも残った、らしい。また戦時中にその町内に求められるのは「隣組」としてお互いを監視し合う、今の言葉で言えば「同調圧力」をかけるシステムであったと。つまり監視社会で、今もSNSで監視しあってるから、政治的な話とかみんなせずに、受けの良い画やネタばかり流すホワイト社会になってしまっている。社会主義国家がやってきた、やっている事と同じと言えばそうだのだろうし、国家の権力者はその方が楽なのだろう。つまり金正恩のように統治をしたいのだろう。

著者はこの辺りまでは以前から主張をしていたそうで、コロナが始まった後しばらくして、同じ匂いを感じ本書を書いたようだ。サブタイトルの『戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってくる』という手口がコロナ禍でもそれを戦時下に喩えたり、国民に我慢を求めたり、と模倣されたことによって、「本物の戦争や翼賛体制に似た社会を私たちに待望させてはいないか。自らファシズムを召喚する結果になっていないか」ということに「きちんと違和を感じ発語していきたい」という本である。

僕も基本的には同じ危惧を強く感じるし、日本の政治家というより、世界の大金持ち権力者たちが、地球温暖化のような世界の危機を煽ることで、世界の庶民たちが従順にガスマスクをつけて整列し、自らは質素な生活をし、その権力者たちは思うように世界とお金を動かす、ということを行っていて、コロナもまさにそれである、としか考えられない。「陰謀」かどうかではなく、その権力者にもし自分がなったらと良く考えてみたら、同じことするよな〜ってなると思う。
いまだにこの暑い中外で一人で歩くにもマスクをしている姿を見ると、このガスマスクと同じだし、体に悪いからやめなよ!って思う。