新建築1月

  • 2018.01.16
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表紙はSANAAの鶴岡市文化会館。ん〜〜〜。。これは良いと思えない。。

何ていうのか、全体の、流れるような良さがないし、ディテールも安っぽく見えるし、内部天井の木製ルーバーも安易な感じだし。。大きなホールは舞台や音響も含め、高さ方向に守らないといけない部分も多いから、なんかそれを無理やりこういう屋根で覆っちゃったように、見えてしまっている。。SANAAの作ったものでこんなふうに思ったことはなかったけどなあ〜〜。

右上のは、坂茂さんの富士山文化遺産センターですね。これはそのうち見にゆこう。実際に立ち上がると、ちょっとおもちゃっぽくも見えるけど実際どうなんだろ。でも、坂さんらしい、素朴で純粋な発想に、素材や構造も真摯に向き合って実現された、という感じは受けますね。
建築論壇「建築と設計のこれからー若手建築家が語る、領域横断型のコラボレーション」では、建築市場のパイが減り、大震災も繰り返す中でのこれからの建築家像を語るようなものでしたが、だからリノベーションや海外進出やまちづくりに取り組むべきだ、なんてしばらく前から言われてきたけど、そこには前から異論があって、そもそも建築市場のパイの中で、いわゆる建築家が関わっているのは数%にも満たないんじゃないかと思うけれど、そこを増やす努力をなぜまずしないのか?そうすればまだまだ国内の新築でもやるべきことは何倍にも増やせるのに、僕なりには建築士会やら一時かなり入り込んだのでわかりますが、つまりは国家資格者としての「建築士」に対して「建築家」というのは趣味的な存在としか思われてないし本人たちもそれでどこか良しとしている、ところに根本的な問題がある、ということにせめて意識的になるべきなのに、建築家さんたちはそれを見ようとしない。というのが僕の持論です。

「領域横断型/コラボレーション」なんて手段でしかないのが、目的化してそれがカッコイイらしけど、一般人から見れば自慰的行為にしか見えないって。その中でも藤原徹平さんは隈さんのところで中国でのかなり大きなプロジェクトに関わったりもされてきたから、「超高層ビルもまちづくりも、セルフビルドも地続きでやりますというような新世代が出てこないと」と言われてましたが、僕も意識だけでもそれは皆が持つべきだとは思う。そういう意味で、建築家としての職域を広げるためのコラボレーション、というのはすべきだと思うけど、若手たちが行っているのは、なんか新しい表現を実現するためのものに見えるので、そこは大きな違いなのかな、と思いました。

ところで大阪時代にお世話になった徳岡昌克先生の田川市文化エリアがJIAの25年賞に選ばれたそうで(しばらく前に荻須美術館も選ばれてます)とても価値のある賞だと思いますので、僕が勤めていたより前のものですが誇らしく思います。またその時代に、何十億円規模のプロジェクトに携わらせて頂いたから、今は住宅がほとんどですが、建築をもっと大きな視点から捉える習慣をつけることができたのかな、とも思っています。でも改めて、僕も地道に頑張ろう、と思います。