新建築8月号

  • 2008.08.15
  • BLOG


集合住宅特集ということで、藤村龍至さんの「BUILDING K」です。
パッとしない。。あまりにもパッとしない外観ですが、構造や設備的な根本的な発想や、長い目での集合住宅のあり方から、メガストラクチャーを採用し、構造や設備を整理しながら住む空間を作り出したというプロセスや、できたもののそんな意味での大胆さは確かに新鮮ではあるし、多くの集合住宅が陥ってしまっているような、類型化された住むためのユニットを増殖させて、設備も標準的と思われている範囲で貼付け、構造も難なく無理なくフォローするというような安易なあり方に対しては、何らかの問題提起をしているという意味では、パッとしないなんて言わずに、価値を認めるべきところはもちろんあります。
最近福田さんが言ったからか?200年住宅なんて言葉が多少新聞などに出ていますが、どこかつながった話であって、技術的に、こうしておいた方が、少しでも健全に長く建物が存在できるであろう、っていうものがあり、それらを備える事で建築をつくる側として将来に責任を持つべきだという話だったりもしますが、でもそれ以前に、美しくないもの、楽しいと感じられないものは、いくら機能的でもきっと長くは残らないんじゃないかと思います。
逆に不便でも美しいもの、人の心に触れるようなものが大切にされたりするので、その物差しも是非忘れないで欲しいかなと。。
その意味では、この建築はちょっと。。。って思います。
今月の載っている集合住宅たちは、どうも僕はがっかりしたものばかりでした。
集合住宅という時点で、もちろん、誰かのため、ではなく不特定多数の人間をどこか抽象化して設計にあたるので、どこか大所高所からの視点で、なんらかのシステムを提示してその解決法の鮮やかさを競っている結果、余りそんな所に住みたくないような空間ができてしまっているんじゃないかと、そんな不満を感じます。
でも集合住宅にはもっともっと良い可能性があると信じています。
誰か僕に依頼してみてください!な〜んて(^o^)