長谷守保 建築計画

新建築7月


坂茂さんのポンピドーセンター・メス。やっとできましたね。
坂さんの「正統」ではない素人発想的な素直な建築にはずっと驚かされ、また好きな建築家のひとりではありましたが、これについてはどうもずっと違和感があり、完成した写真をみてもやっぱりちょいと違和感が残りました。
坂さんも書いているように、フランク・ゲーリーのビルバオの客寄せパンダ的な部分と、正統とされているニュートラルで展示のための部分としての美術館、そのどちらか両極端に走らないような建築、という意味で、プランを見れば分かるのだけど、羊羹のような展示空間が角度を振って3層に重なっていて、その上に大きな半屋外をつくるテント空間をつくる事で、外部からみた造形性と、気軽に市民が使う事ができる空間を生み出しています。
坂さんはちょっと不思議なんですが、とてもとても洗練された空間をつくる一方で、例の紙管建築のように最初から洗練をちょっと諦めている建築と両方を同時につくっていて、そこに違和感を覚えるんでしょうね。
でももちろん、上記の「両極端」ではないけれど、決して自分の建築家としての表現の巾を狭める必要なないので、状況に応じて、素直につくり、結果、とても洗練されていたり、とても素朴であったりしても良いんじゃないか、という、これもまた、正統な建築家らしからぬ所だったりもします。
まあ建築は使われてナンボです。この建築はとても使われ、市民に愛されているようです。
一方で、日本の建築は、世界的にも評価されていますが、実は市民に愛されているものは、かなり、かなり少数しかありません。
まあ、日本人なんて、「市民」とか「国民」とかいう概念は与えられたものであって、自ら勝ち取った訳ではないから、こんな風に平和ボケしつづけているんでしょうけれど、そのうちそんな事も言っていられなくなるはずだから、きっと何かが変わるんでしょう。
という僕は、まずは、自分の家くらいは愛せるようになりましょう、という所から小さなクサビを打っていけば、そのうち社会が変わると信じて、小さなクサビを打ち続けているのですが。。
ふー。最近疲れ気味です。すんません。

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On 7月 13, 2010
by hase
in けんちくーしごと

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